映画【ノック 終末の訪問者】感想(ネタバレ):謎の訪問者がもたらす選択と終末

KNOCK AT THE CABIN
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●こんなお話

 山小屋にいたら見知らぬ男女がやってきてお前たち誰かが犠牲になれば世界が滅びると脅迫される話。

●感想

 1人の少女が野原でバッタを獲っていると、突然大男が現れ、自己紹介を始める。そこへ見知らぬ男女2人がやってきて、大男は少女に「この人たちを家に入れてくれ」と頼む。怖くなった少女は、父親たちに「逃げよう」と必死に訴える。だが次の瞬間、武器を持った男女が家の前に立ち、窓を割って中に侵入し、家族3人を拘束してしまう。

 大男は「自分たちは世界の終わりを見た。君たち家族のうち誰か1人が死ななければ、人類は滅びる」と語る。当然家族はそれを拒否。すると突如として、男女のうち1人が殺される。直後にテレビをつけると、大津波が世界各地を襲っているという緊急ニュースが流れる。

 しばらく考える時間を与えると言って、元コックの男が料理を作ったり、元看護師の女性が手当てをしてくれたりする。そして再び「選択の時だ」と言われ、家族がまたも拒否すると、今度は元コックの男が犠牲になる。その直後、ウイルスが世界的に猛威を振るっているというニュースが報じられる。

 次第に、家族の1人が「彼らの言っていることは本当かもしれない」と思い始める。しかしそれは相手の油断を誘うための演技で、隙を突いて拳銃を奪い、反撃に出る。銃撃の末、男女のうちの1人を射殺してしまう。直後にテレビでは飛行機の墜落事故が相次いでいることが報道される。

 最後に残った信者のような人物は自ら命を絶ち、空には不穏な暗雲が立ちこめる。家族のうちの1人は、もう1人に「君と子どもが幸せに生きる未来を見た。だから僕を撃ってくれ」と頼む。ついに引き金が引かれる。

 ラストでは、生き残った2人が車でダイナーに向かい、世界の終末が回避されたことを知る。テレビやラジオでは、ようやく危機が収まったという報道が流れ、物語はおしまい。

 物語全体を通じて、不穏な空気と不可解な展開が続き、次に何が起こるのか予測できない緊張感が持続する構成は面白かったです。ただ、主人公たちが同性カップルである理由や、子どもがアジア系である背景、そして世界の終末がやってくるというビジョンの宗教的な意味などについては、宗教や文化的な背景知識がないと理解しにくく、物語への没入感が薄れる部分もありました。

 とはいえ、約100分間の上映中、退屈させられることは一切ない1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2023/10/29 Amazonプライム・ビデオ

監督M.ナイト・シャマラン 
脚本M.ナイト・シャマラン 
スティーヴ・デスモンド 
マイケル・シャーマン 
原案ポール・トレンブレイ
出演デイヴ・バウティスタ 
ジョナサン・グロフ 
ベン・オルドリッジ 
ニキ・アムカ=バード 
ルパート・グリント 
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