●こんなお話
娘を探す刑事が人を操る男を追いかけていくうちに真相に迫る話。
●感想
物語は、主人公がカウンセリングを受けている場面から始まる。彼は過去、公園で一瞬目を離した隙に娘が行方不明になったというトラウマを抱えている。その傷を癒やしきれないまま日常を過ごしている。
カウンセリングのあと、刑事の相棒とともに「銀行の貸金庫が奪われる」というタレコミを受け、現場へ向かう。そこで不審な男を発見。その男と話をした人物が次々に言いなりのように動き出すのを見て、主人公はただならぬ雰囲気を感じ取り追跡を開始。貸金庫に辿り着くと、そこには自分の娘の写真が入っていた。さらに一緒にいたはずの相棒も謎の男に操られ、主人公の妨害を始める。
手がかりを求めて凄腕の占い師を訪ねるが、彼女は当初、聞き込みを一切拒否。しかしその直後、占い師のもとに現れた客が突然襲いかかってきて、彼女を保護することに。占い師は、謎の男と自分が同じ「ディビジョン」と呼ばれる超能力研究組織の元メンバーであると語る。だが、なぜか主人公にはその能力が通じない。
状況は悪化し、操られた相棒が主人公に襲いかかってくる。主人公はなんとか催眠を解こうと奮闘するが間に合わず、占い師が相棒を射殺してしまう。追われる身となった主人公はメキシコへ逃亡。そこでかつてのディビジョン所属者とされる男から、謎の男が「ドミノ」と呼ばれる兵器を奪って自身の記憶を消した、という情報を得る。
ところが、この男も謎の男が化けていた。街の住民たちが操られ、一斉に襲いかかってくる中、主人公は必死に逃走。追い詰められたとき、主人公が強く念じると住民たちが謎の男を取り押さえ、ここで初めて彼自身が能力者であることが明らかになる。
その後、主人公たちは元ディビジョンのハッカーのもとへ向かい、ディビジョンのデータベースにアクセス。こっそり端末を操作すると、自分の娘こそが「兵器ドミノ」であり、能力者であることが判明。さらに占い師が元妻であることも明かされる。
その直後、周囲の空間が変化。実はディビジョンが主人公を囲んでおり、彼を欺いて娘の居場所を探るシナリオを何度も繰り返していたことが明らかになる。主人公は実際には刑事ではなく、すべては幻覚。ディビジョンは12回目の「再現」でようやく娘の場所を探ろうとしていたのだ。
だが今回、主人公は催眠を破り、監視の目をかいくぐって逃走。娘を隠した場所に向かい、ディビジョンもすぐに追いつく。家を取り囲まれるが、主人公と娘が外に出てくると、娘の超能力によってディビジョンの隊員たちを操り、同士討ちさせてしまう。これにより、娘を守るために計画されていたすべての仕組みが明らかになり、組織は壊滅。主人公家族だけが生き残り、物語はおしまい。
全体で90分少々と短めながら、展開が次々に目まぐるしく変わるので飽きることはなかったです。真相に迫るにつれて少しずつ物語の全体像が見えてくる構成は面白く、緊張感も持続していました。
ただ、全貌が分かってからの展開には若干の拍子抜け感もあったり。ディビジョンの正体が明らかになってから再び刑事の幻覚シナリオを始める場面などは、安っぽいセットやゴルフカートを使った演出もあって、どこかチープに感じるところもあると感じたり。演出がわざとそうなっているのか、それとも真面目にやっているのか判断がつかず戸惑いました。
また、監視カメラだらけの中であっさり逃走できたり、親子の再会があまり感動的に描かれなかったりと、ツッコミどころも感じたり。とはいえ、全体としては「このくらいでちょうどいい」と思える、気楽に楽しめる一本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/10/30 TOHOシネマズ海老名
監督 | ロバート・ロドリゲス |
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脚本 | ロバート・ロドリゲス |
マックス・ボレンスタイン | |
原案 | ロバート・ロドリゲス |
出演 | ベン・アフレック |
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アリシー・ブラガ | |
ウィリアム・フィクナー | |
J.D.パルド | |
ハラ・フィンリー | |
ダイオ・オケニイ | |
ジェフ・フェイヒー | |
ジャッキー・アール・ヘイリー |