映画【かぞくのくに】感想

☆☆☆☆

●こんなお話

 北朝鮮から一時帰国した兄と日本に住む妹の交流の話。

 詳しいあらすじ解説はMIHOシネマさんの映画ブログから

●感想

 25年ぶりに北朝鮮から帰ってくる兄を迎える家族。けれど兄には24時間監視がついていること、病気を治すのは任務なんだなど日本で育ったボクから見るとなんとも不思議で理不尽なことが当たり前なんだというオープニング。

 兄が帰ってきて、家族や友だちと久しぶりの再会のシーンが続きますが。井浦新さん演じる兄ソンホはみんなの話に優しく微笑むだけで自分からは何も話しません。そして安藤サクラさん演じる妹リエに工作員にならないかとやんわりと勧誘する。それが本心ではないことは、次の父親が2人の話を聞いてしまって「裏の仕事はするな」と言われたときだけ感情を爆発させる。このシーンで、ソンホが北朝鮮でどんな生活をしてきたのかがわかります。

 そんな兄は突如帰国命令が出て、帰国しなければならない。病気も治してないのにあまりに理不尽。ソンホは「この国じゃよくあること」と妹に話し「お前は好きなところに行っていいんだよ」と自分にできないことを妹に託す。友だちが「もし帰国船にソンホを乗せなかったらどうなってたんだろ?」と話すとソンホは「もしもは考えない」と語る。
 国に翻弄され自分の力じゃ家族を守れない。そんな無力さを感じながらも他の誰かに希望を託さないといけない無念さを思うとどうしようもない気持ちに見ていてなりました。それは、宮崎美子さん演じるお母さんも同じで自分では病気の息子を守れない。と監視役にスーツを送り息子の無事を願う。

 ヤン・イクチュンさん演じる監視役はコーヒーに何杯も砂糖を入れ、ホテルでアダルトビデオを見て「自分にも子どもがいる」と語り、妹が「あんたの国大嫌い!」と言われれば「あなたが、大嫌いな国でも生きていくしかない」とそれが現実なんだと思い知らされます。そこに生活があるのだから。

 そして、兄が帰るラスト。白いブランコを鼻歌で歌うラストは父や母そして妹。自分が生まれた日本の幸せを願っているのだと。見てて思いました。自分にはできない幸せを願う。
 国家が個人の幸せを願う国に未来があるのか。と、それで正しいのか。と、北朝鮮、これでいいのか。と、思って見る映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/08/25 テアトル新宿

監督ヤン・ヨンヒ 
脚本ヤン・ヨンヒ 
出演安藤サクラ 
井浦新 
ヤン・イクチュン 
京野ことみ 
大森立嗣 
村上淳 
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