●こんなお話
水牛が逃げたので村人総出で追いかける話。
●感想
ある日、村のお肉屋さんのもとから水牛が逃げ出してしまう。水牛の騒動で迷惑を被った村人たちは、お肉屋さんを責めながらも、みんなで手分けして水牛を探し始める。村人たちは、その水牛の肉でカレーを作るなど、夕飯を楽しみにしていた様子。
しかし水牛は予想以上に手強く、畑を踏み荒らして作物を台無しにしたかと思えば、商店で暴れたり、銀行にまで突入して大混乱を巻き起こしたりする。畑の持ち主が激怒して罵声を飛ばす場面もあり、村の空気はどんどん荒れていく。
警察に相談に行くも、警官は「銃で撃てばいい」と無責任なことを言うばかり。手続きが必要だからと話が進まず、事態は収拾のつかないまま膨れ上がっていく。
最終的に、水牛を大きな穴に落として捕獲することに成功。村中が歓声を上げて喜ぶが、喜びもつかの間、水牛は再び暴走。地面に下ろされた瞬間に大暴れし、ついに死者が出てしまう。
それをきっかけに、村人たちの中にくすぶっていた日頃の不満や対立が一気に爆発し、口論どころか殺し合いにまで発展。混乱が最高潮に達したところで、水牛を取り押さえるために村人たちが一斉に群がり、そのままおしまい。
日本とは全く異なる文化や風習の中で、水牛を捕まえるという単純な目的のために、村人たちが右往左往する様子が興味深く、開始直後から引き込まれました。冒頭の村人たちが一斉に目覚めるシーンからテンションが高く、「これは何が始まるんだ?」と面白さに引き込まれていくものでした。
90分間ハイテンションなまま突き進む勢いに圧倒され。基本的には村人同士がずっと喧嘩しているのですが、「この人たちは一体何にそんなに怒ってるの?」という気持ちで呆然としながらも、細かいカット割りとアップテンポな音楽が加わって、気づけばその世界観に巻き込まれてしまうという。混沌とユーモアの狭間にある、異文化エンターテインメントとして楽しめる一本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/10/10 U-NEXT
監督 | リジョー・ジョーズ・ペッリシェーリ |
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脚本 | S・ハリーシュ |
R・ジャヤクマール |
出演 | アントニ・ヴァルギース |
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チェンバン・ヴィノード・ジョーズ | |
サーブモーン・アブドゥサマド | |
ジャーファル・イドゥッキ | |
シャーンティ・バーラクリシュナン |