映画【ブルー きみは大丈夫】感想(ネタバレ):イマジナリーフレンドがくれる優しさと癒しのファンタジー

IF
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●こんなお話

 想像の生物を人間とカップリングさせようと頑張る話。

●感想

 子ども時代に母親を病気で亡くす過去から始まり、現在では父親も心臓の病で入院中という、つらい現実を抱える12歳の少女が主人公。彼女は大人扱いされないことに不満を抱きつつも、「私はもう子どもじゃない」と周囲に宣言するような、自立心の強いキャラクター。

 主人公は、ニューヨークに住む祖母の家で暮らすことになる。ある日、彼女は上の階に住む不思議な男性・カルと、大きな紫色の毛むくじゃらの存在・ブルーと出会います。ブルーは“イマジナリーフレンド”と呼ばれる、かつて子どもたちが想像で作り出した存在。けれど、子どもが成長して彼らのことを忘れてしまうと、自然と消えていく運命にあるらしい。

 ブルーや他のIF(イマジナリーフレンド)たちが再び子どもとつながれるよう、主人公はカルと協力しながらマッチングに挑戦していく。モンタージュ形式で描かれるその過程はテンポも良く、コミカルで可愛らしい見どころだと思います。けれどなかなかうまくいかず、やがて主人公は「新しい子を見つける」こと以上に、「かつてのパートナーに存在を思い出してもらうこと」が大切だと気づく。

 祖母に若い頃の夢を思い出させることで、祖母のIFが復活する展開がありつつ。ブルーの元のパートナーである中年男性にも接触し、彼がブルーの存在を思い出すことで、彼の人生にも前向きな変化が訪れます。そしてクライマックスでは、カルがかつて自分自身のIFだったことを思い出し、再会を果たす主人公の姿が描かれる。父親の手術も無事に成功して一緒に生活ができておしまい。

 物語は終始、子どもの目線で展開される軽やかなファンタジーで、家族の病気という重たいテーマを扱いつつも、イマジナリーフレンドたちとの出会いや冒険を通じて、前向きに生きようとする姿を優しく、明るく描いていると思いました。

 ただ、正直なところ、個人的にはイマジナリーフレンドという存在にあまりピンと来なかったため、「忘れていた存在を思い出す」ことのドラマに、深く共感できたかというと少し難しいところもありました。感動的な場面も多かったですが、どこかぼんやりと眺めてしまう時間もあったのが本音。

 それでも全体としては、安心して観られる“癒し系”映画で。登場キャラクターのビジュアルも魅力的で、誰かとつながることの温かさや、大切なものを忘れない心を描いた、ほのぼのとした1本でした。小さなお子さんと一緒に楽しむのにもぴったりな映画だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2025/05/31 WOWOW

監督ジョン・クラシンスキー 
脚本ジョン・クラシンスキー 
出演ケイリー・フレミング 
ライアン・レイノルズ 
ジョン・クラシンスキー 
フィオナ・ショウ 
アラン・キム 
ライザ・コロン=ザヤス 
出演(声)スティーヴ・カレル 
マット・デイモン 
エミリー・ブラント 
フィービー・ウォーラー=ブリッジ 
オークワフィナ 
サム・ロックウェル 
ルイス・ゴセット・Jr 
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