ドラマ【ハウス・オブ・カード 野望の階段 ファイナル・シーズン】感想(ネタバレ):クレア大統領の権力と選択

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●こんなお話

 フランシスの跡を継いだクレアが大統領として邪魔者を排除していく話。

●感想

 フランシスの跡を継ぎ、合衆国大統領として奮闘するクレアを描いた全8話のファイナルシーズン。物語は、彼女が前任者の遺産を引き継ぐというよりも、自らの強烈な意思で政権を進めていく姿を中心に展開していく。

 政界の駆け引きに登場するのは、グレッグ・キニアやダイアン・レインといった実力派俳優が演じる新たな勢力。彼らがクレアの前に立ちはだかり、陰謀や対立が繰り広げられる。しかし暗殺を企てたりと大きな動きを見せるものの、絶対的な脅威としてはやや弱く映る部分もある。

 このシーズンで特徴的なのは、クレアがカメラに向かって語りかけるシーンが非常に多いこと。まるで視聴者に直接意見を突きつけるように、彼女の独白が続く。その分、主人公の精神状態や権力への執着が浮き彫りになっていく。

 物語が進むにつれて、過去に積み重ねてきた悪事が表沙汰になりそうになる。そのたびに暗殺が行われ、登場人物が次々と姿を消していく。かつて主要な役割を担っていた人物まで容赦なく消されていくため、観る側としては目を見張る展開が連続します。

 さらにクレアは政権内で反抗する閣僚を一斉に更迭し、自らの支配力を誇示する。危機的状況になるとテロの脅威を利用し、物語はついには核攻撃をめぐる展開にまで突き進む。現実的な政治ドラマの枠を超え、フィクションとしての大胆さが前面に出ていました。

 最終シーズンとして、クレアの強烈な存在感と暴走する権力の姿を描き切ったのは大きな見どころだと感じました。一方で、積み重ねられた展開はあまりに急激で、現実性よりも寓話的な印象が強まりました。長く続いたシリーズの結末としては寂しさも残りますが、キャラクターたちが選んだ道とその果てを見届けることができたのは意義深いことだったと思います。

☆☆

鑑賞日:2021/09/06 NETFLIX

原作ボー・ウィリモン
出演ロビン・ライト
マイケル・ケリー
ジェイン・アトキンソン
パトリシア・クラークソン
コンスタンス・ジマー
デレク・セシル
ボリス・マクギヴァー
キャンベル・スコット
ダイアン・レイン
グレッグ・キニア
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