映画【ヘルボーイ(2004)】感想(ネタバレ):ダークファンタジー×スーパーヒーロー|アートな世界観に浸る異色ヒーロー映画

hellboy
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●こんなお話

 地獄出身のヘルボーイが人間に育てられて、ロシアのラスプーチンとかナチスの殺し屋とかと戦う話。

●感想

 スーパーヒーローものにクトゥルー神話的な要素をミックスした独特の世界観が印象的な作品でした。まるでアートのように作り込まれたビジュアルと設定が素晴らしく、雰囲気重視のダークファンタジーとしてかなりカッコいい仕上がり。人間離れした見た目の主人公が、恋愛に悩んだりしているギャップが面白く、そこにコミカルな味付けがされているのも魅力のひとつでした。

 登場するのは、特殊な能力を持ったティーンのような若者たち。彼らの成長やチームとしての動きも描かれていて、ヒーローものとしての王道もしっかり押さえられていました。ただ、全体を通して130分はちょっと長く感じたりも。悪役が何かを企てているシーン、主人公と仲間たちの捜査パート、ヒロインとの恋愛エピソードなど、どれもテンポがゆったりしていて、話が進んでいるようであまり進まない印象でした。

 クライマックスのバトルもビジュアル的には見応えがありましたけが、気持ちの盛り上がりは今ひとつで。敵の殺し屋が剣を振り回して登場するシーンは一瞬カッコいいものの、あっさり退場してしまうのが残念。魔物と人間の狭間にいるという主人公の葛藤も、深掘りされないままサラッと流れてしまい、感情的な山場にはならなかったです。

 新人の捜査官も、成長しているのかどうかがあまり伝わらず、友情モノとしての側面も少し薄めだったように感じました。ただ、全体として世界観の作り込みは圧倒的で、そういった美術面や雰囲気を楽しむ映画としてはかなり魅力的でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2015/09/29 Blu-ray

監督ギレルモ・デル・トロ 
脚本ギレルモ・デル・トロ 
原作マイク・ミニョーラ 
出演ロン・パールマン 
ジョン・ハート 
セルマ・ブレア 
ルパート・エヴァンス 
カレル・ローデン 
ジェフリー・タンバー 
ラディスラヴ・ベラン 
ビディー・ホドソン 
ダグ・ジョーンズ 
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