映画【ハード・ターゲット】感想(ネタバレ):90年代アクション映画の王道!無敵の主人公が繰り広げる迫力満点のマンハント

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●こんなお話

 人間狩りをする悪人を回し蹴りでやっつけるヴァンダムの話。

●感想

 1人の男が集団から必死に逃げ回っている中、ボウガンで逃げる男が射殺されるシーンから物語が始まる。女性は父親を探してあちこちで聞き込みを行うけど、警察に事情を説明しても相手にされず、手がかりを掴めずに苦労。

 主人公は日雇い労働者で、今日も仕事に就こうとしますが、労働組合と揉めているらしく仕事を断られてしまう。そんな中、女性がお金を持っていることをバーで男たちに見られてしまい、裏で襲撃されそうになりますが、主人公が間一髪で助け出す。女性は父親探しの手伝いを主人公に依頼し、主人公も生活に困っているためその提案を受け入れます。

 主人公はホームレスの仲間たちから情報を集めようとしますが、警察から父親が死亡したと告げられ。主人公は現場の状況から父親が殺されたのではないかと推理する。一方、カタキ役の一味は街中でマンハントを続けており、ゲームの終了に向けて関係者を次々と始末していきます。彼らは女性が被害者を探していることに気づき、主人公たちの推理にも注意を払う。やがて、主人公のホームレス仲間もカタキ役に強制参加させられ、命を落とします。

 主人公が警察官と話している最中、カタキ役が襲撃し、警察官は銃撃されてしまう。ここから主人公とカタキ役たちの激しい追跡劇が始まり。主人公は自身が仕掛けたトラップで追跡者の一人を倒し、おじさんの元に匿ってもらいながら、馬での逃走中にヘリコプターに追われたり。おじさんも弓矢でカタキ役と戦い、主人公と協力して戦闘を繰り広げる。

 最終決戦は廃工場のような場所で繰り広げられ、カタキ役が女性を人質にして主人公を追い詰めますが、一騎打ちの末に主人公がカタキ役のボスを打ち倒しておしまい。

 この作品は90年代のハリウッド映画らしい、荒削りながらも迫力満点のアクションが満載で、100分間しっかり楽しめる作品でした。

 物語の設定自体は、富裕層が娯楽としてマンハントを行っているという無茶苦茶さがありますが、迫力ある殺害シーンは見ごたえがあります。警察や一般市民はほとんど登場せず、警察はストライキ中という設定でほぼ機能しません。人前で人が次々と殺されていく状況も、この点で違和感なく受け入れられます。

 主人公は船員でありながらなぜか非常に強く、拳銃一丁で何十人もの敵を倒していく姿は、弾丸がまるで当たらないかのように無敵で、どんな劣勢な状況でも負けることがないという安心感をもたらしてくれます。バイクに立ち乗りしながら敵の車に突っ込み爆破させるシーンはまるでシルク・ドゥ・ソレイユのような派手さがありました。

 ただ、話の求心力は少し弱く感じられ、ヒロインが途中からほとんど存在感を失い、物語に必要ないお荷物のようになってしまっていた点が惜しいところです。敵組織の規模や構造も不明瞭で、よく物語が成立しているなと感じる部分もありました。

 それでも、主人公が無駄に一人の敵に何発も弾丸を撃ち込み、さらにとどめの廻し蹴りを決めるシーンは非常にカッコよく、敵ボスがどんなに追い詰められても余裕を見せる姿は、カッコいいのかそうでないのか微妙な魅力を放っていました。

☆☆☆

鑑賞日:2013/02/24 DVD 2024/05/23 U-NEXT

監督ジョン・ウー 
脚本チャック・ファーラー 
出演ジャン・クロード・ヴァン・ダム 
ランス・ヘンリクセン 
ヤンシー・バトラー 
アーノルド・ボズルー 
ウィルフォード・ブリムリー 
ウィリー・カーペンター 
キャシー・レモン 
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