映画【ハロウィン(2018)】感想(ネタバレ):40年後のブギーマンに挑む三世代の物語

Halloween2018
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●こんなお話

 ブギーマンがルーティーンな殺人を行う話。

●感想

 精神病院に入院している殺人鬼・ブギーマンに、2人の記者がインタビューを試みるというところから物語がスタート。彼の象徴的なマスクを取り出した瞬間、あの印象的なメインテーマが流れてタイトルが表示されるオープニングは、ホラーファンの心を一気につかむ見事なツカミでした。

 物語は、40年前にブギーマンに襲撃された女性が、いつか再びハロウィンに彼が現れると信じ、娘にも厳しく武装を教え込むなど、常に備えて生きてきた姿から始まって。パラノイアのようにも見えるその生き方に、娘はうんざりしているが、孫娘はそれほど拒絶していない。この三世代にわたる関係性の描き方が興味深く、単なるホラーを超えた人間ドラマとしての厚みが加わっているのが印象的です。

 本作は、数多く存在する続編をリセットし、1978年の第1作から40年後を直接描くという構成。1作目の生き残りと再び対峙する構造や、当時のシーンを想起させるショットの数々は、ファンにとってはたまらない演出だと思います。ジョン・カーペンターが再び手掛けた音楽も、不穏な電子音が際立ち、クラシックな雰囲気を現代にうまく持ち込んでいて素晴らしかったです。

 一方で、スプラッター映画としてのテンポはやや緩慢に感じてしまうもので。脱走することが分かりきっているブギーマンの動きにたどり着くまでが長く、序盤はやや退屈。殺人が始まっても、どこか淡々とした描写が続き、ハラハラする緊張感や恐怖の高まりがあまりなかったのが残念でした。さらに、画面が暗くて視認性が悪く、何が起きているのかよくわからない場面も散見されていました。

 ブギーマンを診ていた精神科医の設定は、意外性を狙って登場させているようだったですが、その行動が突飛すぎてリアリティがなく、驚きよりも「何それ…」という感想が先に立ってしまいました。登場人物たちの行動に説得力がなく、物語の説得力や緊張感を削いでいたのも惜しい点でした。

 総じて、オリジナル版の直系としての意味は強く、1作目のオマージュとしての完成度は高いです。ただ、現代のホラーとしては、テンポや描写にやや物足りなさがあり、もっと際立つ個性が欲しかったと感じた一本でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2019/09/24 Blu-ray 2021/11/01 NETFLIX

監督デヴィッド・ゴードン・グリーン 
脚本ダニー・マクブライド 
ジェフ・フラッドリー 
デヴィッド・ゴードン・グリーン 
音楽ジョン・カーペンター 
コディー・カーペンター 
出演ジェイミー・リー・カーティス 
ジュディ・グリア 
アンディ・マティチャック 
ウィル・パットン 
ヴァージニア・ガードナー 
ニック・キャッスル 

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