映画【ゴジラ×メガギラス G消滅作戦】感想(ネタバレ):人工ブラックホール作戦の結末

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●こんなお話

 巨大トンボとゴジラが戦う話。

詳細ネタバレあらすじ

 1954年、日本に初めてゴジラが出現する。本来であれば使用されるはずだったオキシジェン・デストロイヤーは採用されず、政府は別の方法で迎撃を試みるものの失敗。東京は壊滅的な被害を受け、ゴジラは海へと姿を消す。この一件をきっかけに日本は深刻なエネルギー危機に陥り、原子力発電も普及しなかったため、巨大なプラズマエネルギーを利用した発電システムが国家を支える基盤となる。さらに首都機能は大阪へ移され、日本政府はゴジラ対策を国家最優先事項として進めることになる。

 それから47年後の2001年。ゴジラ対策組織「Gグラスパー」の実戦部隊を率いる辻森桐子三尉は、幼い頃にゴジラの襲撃で両親を失っており、ゴジラを倒すことだけを人生の目標として生きていた。一方、防衛庁では人工ブラックホールを兵器として利用する究極の対ゴジラ兵器「ディメンション・タイド」の研究開発が進められており、物理学者の吉沢佳乃博士と天才エンジニアの工藤元が中心となって完成を目指していた。桐子は、この兵器こそゴジラを完全に消滅させる唯一の手段だと信じていた。

 山梨県白州でディメンション・タイドの試射実験が極秘裏に行われる。人工ブラックホールの生成には成功したものの、その影響で時空にゆがみが発生し、太古の地層に眠っていた巨大昆虫メガヌロンの卵が現代へと出現する。実験終了後、近くに住む少年・淳は不思議な卵を拾って自宅へ持ち帰る。やがて卵は孵化し、小さな幼虫となったメガヌロンは下水道へ逃げ込み、東京中の地下水路で急速に繁殖を始める。

 メガヌロンは人々を襲い、体液を吸収しながら成長を続ける。警察やGグラスパーも調査に乗り出すが、広大な地下水路では居場所を特定できない。やがてメガヌロンは羽化し、飛行形態のメガニューラへと変化する。大量発生したメガニューラは東京上空を飛び回り、人々を襲撃して都市機能を混乱させる。さらに渋谷では地下施設が崩壊し、大規模な浸水が発生する。

 その頃、ゴジラが奇岩島付近に出現する。Gグラスパーは完成したディメンション・タイドを実戦投入し、人工ブラックホールによってゴジラを異次元へ消滅させる「G消滅作戦」を開始する。しかし発射直前、大量のメガニューラがゴジラへ群がり、放射熱線のエネルギーを吸収し始める。その影響でディメンション・タイドの照準が狂い、作戦は失敗。ゴジラは消滅を免れ、エネルギーを蓄えたメガニューラたちは融合して巨大怪獣メガギラスへと進化する。

 翌日、お台場に上陸したゴジラの前へメガギラスが姿を現す。メガギラスは驚異的な飛行速度を生かし、鋭い前脚や尾による攻撃でゴジラを翻弄する。さらに口吻を突き刺してゴジラのエネルギーを吸収し、一時は優勢に立つ。しかしゴジラは放射熱線や体当たりで反撃を開始し、激しい戦闘の末、メガギラスへ至近距離から放射熱線を浴びせる。致命傷を負ったメガギラスは墜落して爆発。

 桐子たちは最後の切り札として、再びディメンション・タイドによる攻撃を決断する。墜落するディメンション・タイドを操作しつつ、工藤はブラックホールの形成位置や重力制御を修正し、桐子は危険を承知でゴジラの目前まで接近して照準を合わせる。ゴジラが放射熱線を放つ瞬間を狙ってディメンション・タイドが発射されると、人工ブラックホールはゴジラだけでなく周囲の建造物を飲み込みながら巨大な重力渦を形成する。ゴジラはそのままブラックホールへ吸い込まれ、姿を消す。

 数日後、桐子たちは平穏を迎えておしまい。

●感想

 大島ミチルさんによる壮大なテーマ曲は作品の雰囲気によく合っており、とても印象に残りました。また、日本の首都が大阪へ移転しているというパラレルワールドの設定も大胆で、本作ならではの世界観として楽しめました。

 一方で、主人公である辻森桐子は対ゴジラ特殊部隊の隊長という重要な立場ですが、その存在感や隊長らしい迫力が画面からあまり伝わってこず、配役には物足りなさを感じました。冒頭で永島敏行さん演じる隊員がバズーカを手にゴジラへ立ち向かう場面は期待感が高まりましたが、すぐに倒されてしまい、もっと活躍を見たかったという思いが残ります。

 ゴジラのデザインも個人的には強い魅力を感じられず、ライバル怪獣であるメガギラスも迫力よりデザイン面が気になってしまいました。さらにディメンション・タイドをはじめとする新兵器も、歴代シリーズに登場したスーパーXシリーズのような重厚感や格好良さには及ばず、メカ描写の面でも物足りなさが残りました。

 CGとミニチュア特撮を組み合わせた映像は当時として挑戦的ですが、戦隊シリーズや『ウルトラマン』を思わせるような映像表現も多く、ゴジラ映画ならではの重量感や迫力はやや薄く感じました。終盤のお台場で繰り広げられるゴジラとメガギラスの戦いも見せ場ではあるものの、戦闘時間が長く続くため、少し単調に映ってしまいました。

 また、メガヌロン誕生のきっかけとなる少年・淳は序盤では丁寧に描かれるものの、中盤以降は物語への関わりが大きく減ってしまいます。そのため、あれほど時間をかけて描かれた役割が十分に生かされていない印象を受けました。ゴジラシリーズでは子どもが重要人物として登場する作品も多いですが、本作では存在意義がやや曖昧だったように感じます。

 主人公たちの軽妙な掛け合いも全体の雰囲気とは噛み合っておらず、シリアスな設定との温度差が気になりました。さらに、人工ブラックホールという前代未聞の兵器が比較的スムーズに開発・運用されていく展開も説得力に欠け、細かな部分が気になり始めると物語へ入り込みにくくなります。ディメンション・タイドを宇宙へ打ち上げる必要性についても疑問が残り、設定を深く考えるほどノイズとして受け取ってしまいました。

 全体としては、斬新な世界観や設定には惹かれる部分がある一方で、キャラクター描写や怪獣・メカデザイン、演出面などが噛み合わず、終始どこか惜しさを感じる作品でした。シリーズの中でも独自性は強いものの、その魅力を十分に引き出し切れなかった一本という印象でした。

☆☆

鑑賞日: 2017/01/20 Hulu 2026/08/08 U-NEXT

監督手塚昌明 
脚本柏原寛司 
三村渉 
脚本協力藤田伸三 
山田政史 
清水瞳 
出演田中美里 
谷原章介 
星由里子 
喜多川務 
渡邊実 
伊武雅刀 
永島敏行 
中村嘉葎雄 
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