●こんなお話
少年が見つけたカメがどんどんでかくなっていって人食い怪獣と戦うので応援する話。
●感想
ガメラとギャオスが激しく戦い、ガメラが自爆して大爆発を起こす衝撃的な導入。その後、交通事故で母親を失った少年と、その父親との二人暮らしの日常が描かれる。父はチャーハンづくりが得意で小さな食堂を経営しており、近所には漫画を貸してくれる同い年の女の子が住んでいる。少年と彼女の間には、少しずつ友情が芽生えていく。
ある日、遠くの離島で光るものを見つけた少年は、なんと海を泳いで向かい、そこで大きな卵を発見。するとすぐに中から小さなカメが誕生する。少年はこっそりそのカメを家に持ち帰って育て始めるが、やがて空を飛んだりと常識では考えられない行動を取り始め、手に負えなくなってしまう。一度は海に帰すが、カメは少年の後をついて来て、しかも車に轢かれそうになる。やはり放っておけず、再び家で飼うことを決意する。
主人公はスケボーの練習に励み、カメは家の中を自由に歩き回る。そんな中、ヒロインが「そのカメは、かつて暴れた怪獣・ガメラなのでは」と疑いを口にするが、主人公は否定。しかしカメは急成長し、友達と一緒に秘密基地のような場所に隠すことになる。
そんな中、人を食べる怪獣が現れ、主人公の友達が襲われそうになったところを、巨大化したカメが現れて救い出し、怪獣と激しく戦う。だがその代償は大きく、ガメラは重傷を負って政府に捕獲され、実験対象にされてしまう。
一方、ヒロインは手術のために入院。主人公は、ガメラが首にぶら下げていた宝石のようなものをお守りとして彼女に渡すが、それが実はガメラにとって重要な力の源だったことがわかる。新たに怪獣が現れ、今度はガメラがピンチに。そこで子どもたちは一致団結し、お守りをリレー形式でガメラに届け、力を取り戻したガメラが火球を放って怪獣を退治。実はこのカメが、本物のガメラだったという結末でおしまい。
序盤、主人公の少年の日常からガメラとの出会いまでがやや長く感じられ、特に赤ちゃんガメラを家で飼うパートは、まったりとした展開が続き、見ていて退屈に思えた部分もありました。ガメラとの友情を描くための丁寧な描写ではあるものの、小さいカメが食堂を歩き回るだけのシーンに特別な感情移入ができなかったのが惜しかったです。
そのため、後半にガメラが満身創痍になっても、感情の盛り上がりに欠けてしまったのは正直な感想。ただ、子ども向け映画としては、トト(ガメラ)と主人公の絆がしっかり描かれており、夏休み映画としては十分に楽しめる内容だったと思います。かわいくて健気な怪獣と少年の関係を見守る感覚で、小さな子どもたちにはおすすめできる一作でした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/09/02 NETFLIX
監督 | 田崎竜太 |
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特撮演出 | 金子功 |
脚本 | 龍居由佳里 |
出演 | 富岡涼 |
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夏帆 | |
津田寛治 | |
寺島進 | |
奥貫薫 | |
石川眞吾 | |
成田翔吾 | |
石丸謙二郎 | |
田口トモロヲ |