映画【世界の終わりから】感想(ネタバレ):時代劇×学園×SFが融合した壮大なファンタジー

From-the-End-of-the-World
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●こんなお話

 主人公の夢で現実世界の行く末が左右されるということで国家機関が保護をして夢をどうにかしようとする話。

●感想

 戦国時代の戦場を一人の少女が駆け抜けるという幻想的なビジュアルから始まり。その後、目を覚ました現代の主人公である女子高生が、おばあさんの最期を見届ける場面へと切り替わる。彼女はアルバイトに励みながらも、自身の夢であった専門学校への進学をあきらめかけているという状況にあります。

 やがて再び夢の中で、謎めいた老婆と出会い、手紙を祠に届けてほしいと依頼されます。しかしその夢の中では、突如として侍たちに襲撃され、主人公は過去の世界の少女と共に逃げることになります。夢の中で老婆に再び会い、「この世界は滅びに向かっており、それを救う鍵はあなたにある」と告げられます。

 現実世界では、国家の秘密機関が動き出し、主人公を保護しながら「夢で何を見たのか」を報告するように依頼します。その夢の中で、祠に到達した少女は「侍たちを皆殺しにして」と願い、実際に大量の虐殺が始まり。主人公は彼女を止めなければならないという立場に追い込まれます。

 さらに、現実の世界にまで夢の中の刺客が現れて、護衛の人物が命を落とすなどがあり。日本の政治の中枢では、官房長官が総理大臣の座を狙って暗躍し、主人公の「予知能力」に国家が依存していたことが明らかに。その結果、民衆は政治への不信感から暴動を起こし、主人公は世界を救うことができなかったという無念を抱え、未来へ向けてメッセージを残します。

 そのメッセージを受け取った未来の女性戦士が過去の時代へと向かい、家族が死ぬ前の世界へと干渉します。結果として、主人公は平和な世界の中で家族と幸せに暮らす未来を手に入れる、ということでおしまい。

 物語は「自分が世界の運命を握る存在である」という重厚なテーマに挑みつつも、戦国時代や学園生活、未来SFなど、多くのジャンルを融合させて展開されております。ただ、ジャンルが多岐にわたることで焦点が定まらず、設定の消化が難しく感じられる部分もありました。

 また、主人公の選択や行動が物語の中でどれほど重要なのかが曖昧であり、次第にその重みが薄れていくことで、見ていて感情移入が難しくなってしまいました。結果として、130分という上映時間の中で、ストーリーに強く引き込まれることが少なく、少々退屈に感じてしまったのが正直な感想でした。

☆☆

鑑賞日:2024/08/12 NETFLIX

監督紀里谷和明 
脚本紀里谷和明 
原作紀里谷和明 
出演伊東蒼 
毎熊克哉 
朝比奈彩 
増田光桜 
岩井俊二 
市川由衣 
又吉直樹 
冨永愛 
高橋克典 
北村一輝 
夏木マリ 
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