映画【少林サッカー】感想(ネタバレ):少林拳とサッカーが融合した爽快アクション

●こんなお話

　少林拳の使い手の青年たちが最初はやる気なかったけど、サッカーを頑張っていく話。

●感想

　過去に騙されてサッカー界での道を断たれてしまった男性が、ホームレスのような風貌を持ちながらも少林拳の使い手である主人公と出会うところから物語が始まる。主人公は饅頭屋の店頭に立つ女性に好意を抱き声をかけますが、その女性は心を閉ざしており、なかなか心を開きません。

　その一方で、サッカーに打ち込んでいた男性は主人公の驚異的な身体能力に気づき、一緒にサッカーをやろうと誘います。主人公は少林拳の兄弟子にも声をかけますが、やる気のない兄弟子たちはキャバクラで働き、ある日、客に激高されて殴られるという騒動も起こったり。その他の兄弟子たちも金銭的な見返りがないため参加を渋りますが、最終的には皆が集まり、チームを結成。

　練習は初めのうちは散々でしたが、徐々に上達し、喧嘩を仕掛けてくるチームにも勝利してトーナメントに出場することとなります。次々と強敵を倒し、ついに決勝戦を迎えます。ところが、相手チームはアメリカ製の薬物で強化されており、苦戦を強いられます。兄弟子の一人が立ち向かうも敗れ、チームの選手は残りわずかとなってしまいます。

　そんな窮地に、例の女性が太極拳の技でゴールを守り、主人公は台風のような威力を持つシュートを放ち、見事優勝。結果、世間では少林拳の人気が高まり、多くの人々が少林拳を習い始めておしまい。

　映像はまさに漫画の世界をそのまま実写化したかのようで、人間離れした動きが多数登場します。ボールに当たって人間が吹き飛ぶなど、非現実的でありながらも見ていて楽しい演出がふんだんに盛り込まれていました。

　ただし、物語自体は力を合わせて悪役と戦うという王道の展開であり、やや新鮮味に欠ける部分も感じられました。また、チャイニーズコメディの要素も強く、これにハマらない方には少々難しいかもしれません。

　さらに、太極拳の使い手であるヒロインとの恋愛要素は話の流れに唐突に挟まれている印象があり、効果的に作用しているとは言い難いところでした。

　とはいえ、全体としては素直に楽しめるエンターテインメント作品であり、アクションとコメディ、そしてスポーツが融合した独特の世界観を味わえる一作となっております。

☆☆☆

鑑賞日:2014/11/06 Hulu　2024/08/14　U-NEXT