●こんなお話
サイパン島の戦いが終わった後も山の中に隠れている日本兵と彼らをリスペクトするアメリカ兵の話。
●感想
サイパン島の戦いが序盤で描かれて、司令部の自決後に総攻撃で壊滅して。という流れがあって主人公の大場大尉が山の中で逃げてという流れと大場大尉という凄い日本人がいるということを知って何とか降伏させようとするアメリカ兵の流れが描かれます。
山の中に逃げ込んで苦しい生活の中、主人公がどういう考えを持って動いているのかとかよく伝わってこなくて何をしたいのかがわからず。周りが降伏してくれ、降伏などありえぬと騒いでいるだけなので、行動の動機を明確にしてほしかったです。現代的視点から見ると「日本兵は降伏しない」と最後まで意地を張っているだけにしか見えない男でした。
アメリカサイドも登場してから最後まで日本に理解ある男で、終始「日本兵すごい」しか言わないのであまり血の通った人物に見えなかったです。わかりやすいステレオタイプなキャラクターではありましたが、魅力的ではなかったです。
フォックスと呼ばれた男らしいですが、一体どこがフォックスなのだろうか? という戦略戦術の凄さとかまるでなくて、ただ射撃して撃った撃たれたを見せるだけでアクションシーンとしても退屈なところが続きました。唐沢寿明さん演じるスキンヘッドの男なんて一体何がしたかったのか謎で魅力的なのに退場の仕方が頭悪すぎてテンションの下がる暴走キャラでした。
徹底抗戦を主張する部下の山田孝之さんも暴走するキャラクターで勝手に発砲して事態を悪化させたりしても、特に何の制裁とかもなくそのままというのも気持ちの落としどころが難しかったです。
せっかく大場大尉という実在の人物をモチーフにしているのにいかに彼がやったことが凄かったのかという偉大さや凄さなどが全く伝わってこなくて残念な映画でした。日本のバンザイ突撃って闇夜に隠れてやると思っていましたが、真昼間に突っ込んでくるんだとか、山を下りるときに綺麗な服に着替えていて、それを置いておける場所があるんだと勉強になる映画でした。
☆☆
鑑賞日: 2011/09/14 DVD 2019/09/17 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 平山秀幸 |
---|---|
脚本 | 西岡琢也 |
グレゴリー・マークェット | |
チェリン・グラック | |
原作 | ドン・ジョーンズ |
出演 | 竹野内豊 |
---|---|
ショーン・マッゴーワン | |
井上真央 | |
山田孝之 | |
中嶋朋子 | |
岡田義徳 | |
板尾創路 | |
光石研 | |
柄本時生 | |
近藤芳正 | |
酒井敏也 | |
ベンガル | |
トリート・ウィリアムズ | |
ダニエル・ボールドウィン | |
阿部サダヲ | |
唐沢寿明 |
コメント