●こんなお話
人食いピラニアがリターンズしてくる話。
●感想
前作『ピラニア3D』の惨劇から一年後、アリゾナ州クロス湖周辺は先史時代のピラニア大量発生の影響で観光地としての活気を失い、湖畔の町は廃墟同然の姿をさらしている。そんな中、湖の近くで牛を探していた二人の農夫が水中に沈んだ死骸を発見するが、その内部で孵化したピラニアに襲われ、なすすべなく命を落とす。
海洋生物学を学ぶ女子大生マディは夏休みを利用して故郷へ戻り、義父シェットと共同経営するウォーターパーク「ザ・ビッグ・ウェット」を訪れる。だがシェットは安全面を軽視し、相談もなく大人向けの裸で遊べるエリアや露出度の高いスタッフを導入しようとしており、マディは強い不安と反発を覚える。
その夜、友人のシェルビーと恋人のジョシュは湖で裸になって泳ぎ、無邪気な遊びの最中にピラニアの幼魚がシェルビーの体内へ侵入する。一方、別の友人アシュリーとトラヴィスは車内で戯れている最中に誤ってパーキングブレーキを解除してしまい、バンは湖へ転落する。手錠で繋がれ逃げられないトラヴィスはピラニアに襲われ、アシュリーは車の屋根で助けを待ち続けるが救いは訪れない。
翌日、シェットは警告を無視してウォーターパークをグランドオープンさせ、セレブゲストとしてデヴィッド・ハッセルホフを迎え入れる。来場者がスライダーやプールで楽しむ中、排水管を通じて施設内に侵入したピラニアが一斉に人々を襲い、楽園は瞬く間に混乱と惨状に包まれる。
前作の生存者である副保安官フォールンは義足に仕込んだ銃で果敢に応戦し、ハッセルホフも子どもを救出するなど奮闘するが、シェットは逃走中に低く垂れ下がったケーブルによって命を落とす。マディは従業員のバリーに排水を指示し、自らも救助に向かうが強力な吸引に巻き込まれてしまう。恋人のカイルは助けることをためらう一方、泳げないバリーが勇気を振り絞ってマディを救い出し、二人は生還する。
従業員ビッグ・デイブは配管内に塩素を流し込み、火をつけることで大規模な化学爆発を引き起こし、多くのピラニアを排除するが、混乱の中でカイルは落下物によって命を落とす。生存者たちが安堵する中、マディは研究者グッドマンから、ピラニアが陸上行動能力を獲得したという衝撃的な知らせを受ける。直後、プールから姿を現した一匹のピラニアが、先ほど救われた少年デヴィッドを襲い、ハッセルホフが汚い言葉を発しておしまい。
前作と同様に、無分別に騒ぐ若者たちが次々とピラニアの餌食になる構図は健在ですが、本作は勢いで押し切るタイプというより、小ネタを積み重ねて笑わせる方向へ舵を切った印象を受けました。予想外のタイミングで襲われる場面や、あまりに間の抜けた最期には思わず苦笑してしまいます。
特に印象に残ったのは、親密な行為の最中に襲撃されるという悪趣味極まりない描写で、ブラックユーモアとしての切れ味は相当なものがあります。手錠をかけたまま湖に沈む展開など、倫理観を無視した演出が徹底されている点も本作らしさだと感じました。
一方で物語の整合性については首をかしげる部分が多く、ピラニアがなぜこの湖に存在しているのか、なぜ開園日に合わせたように現れるのかなど、気になり始めると集中しづらい構成でもあります。クライマックスの決着方法も勢い任せに感じられ、納得感よりも呆気なさが勝りました。
また、子どもが犠牲になる描写を笑いに転化する姿勢には個人的に賛否が分かれるところで、その点は好みを大きく左右する要素だと思います。
それでも上映時間は短く、深く考えずに観る分にはテンポよく楽しめる一本であり、悪ノリホラーとして割り切れば十分に娯楽性のある作品でした。
☆☆☆
鑑賞日:2012/12/13 DVD 2019/01/27 NETFLIX 2025/12/27 DVD
| 監督 | ジョン・ギャラガー |
|---|---|
| 脚本 | パトリック・メルトン |
| マーカス・ダンスタン | |
| ジョエル・ソワソン |
| 出演 | ダニエル・パナベイカー |
|---|---|
| マット・ブッシュ | |
| デヴィッド・ケックナー | |
| クリス・ジルカ | |
| カトリーナ・ボーデン | |
| ゲイリー・ビジー | |
| クリストファー・ロイド | |
| デヴィッド・ハッセルホフ | |
| ヴィング・レイムス |


