●こんなお話
化学工場で火災が発生して消防隊が頑張る話。
●感想
トンネル内を走行中の火気厳禁のトラックが地震の衝撃でコントロールを失い、母子の乗る車と衝突。そのまま崖から転落し、火災が発生するという衝撃的な事故で物語は始まる。見えない炎が迫る中、主人公たち消防隊が出動し、命がけで母子を梯子で救助。災害下の緊迫感が序盤から全開で、観客の心を掴まれます。
日常パートでは、消防隊の訓練や人間関係が描かれる。通信隊員だけ腕立ての回数を多く課せられたりして不満を見せつつ、火災の勉強会で講師を務める女性に恋心を抱いたりと、ユーモアも織り交ぜながら人間味のある一面が展開される。隊長の結婚を巡る婚約者との喧嘩や、父親の誕生日を楽しみにする隊員など、それぞれに背景があり、人物描写も丁寧に作られていると思いました。
再び地震によって化学工場で火災が発生し、隊員たちは屋上に取り残された子どもたちを救出。その後、火災が拡大する中で発電施設を復旧させる任務に、通信隊員と講師の女性が挑む。毒ガスが充満し、閉じ込められた二人に訪れる決断の時。通信隊員は自己犠牲の行動を見せる。
火災現場では、爆発が次々と発生し、負傷する隊員も出て追い詰められていく。心停止した仲間を医師の元に運び、懸命な心臓マッサージにより蘇生させるシーンや、亡くなった隊員の父親のもとに仲間全員で敬礼する場面など、感情を大きく揺さぶる展開が続いて。
印象的なのは、ミサイル消防車やロボット消防車といった特殊装備。視覚的な楽しさが詰まっていて、火災シーンの迫力と合わせて、見応えのあるスペクタクルが展開でした。映画の半分以上が火災描写という構成は非常にハイテンションで、体感的に長く感じるが、それが良い意味での没入感にもつながっていました。
ただし、ひたすら叫び続けるような演出と、事故後に訪れるエピローグでの泣きの芝居がやや過剰に感じる部分もあり、全キャラクターが感傷にひたるような描写が続くと少し疲労感を覚えることも。火災も泣きの展開も、似たようなパターンが繰り返されるため、観ている途中でやや気が散る場面もありました。
それでも、圧倒的な火災シーンの臨場感、自己犠牲と仲間の絆を描くドラマ、そして視覚的に新しい消防装備の数々。感情とアクションが一体となった、見応えのある災害ドラマでした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/10/07 イオンシネマ座間
監督 | オキサイド・パン |
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脚本 | ヤン・ダイユアン |
ワン・ラン | |
チャン・ホンタオ |
出演 | ドゥー・ジアン |
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ワン・チエンユエン | |
トン・リーヤー | |
ハン・シュエ | |
ユー・ハオミン | |
エルヴィス・ハン | |
ワン・ゴー |