映画【ミッション・デブポッシブル!】感想(ネタバレ):笑いとアクションが交差する、日本発・友情バディ映画の快作

Fat Buddies
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●こんなお話

 日本の病院の警備員が麻薬組織を追うエージェントと一緒に戦う話。

●感想

 日本の病院で警備員として働いている主人公。体格が大きく、仕事中も同僚たちからからかわれたり、院長に小言を言われたりと、何かと肩身の狭い日々を送っていた。そんなある日、病院内で暴れる患者を制止することになる。体格も自分と似ているその男は、ただの患者ではなく、実は秘密組織のエージェントだった。彼は麻薬組織を追う任務の途中で身を隠していたようで、逃亡の手助けをした主人公と一緒に行動することになる。

 逃げた先は主人公の自宅。エージェントは、そこで出迎えた美しい奥さんを見て思わず驚く。いつも庭の木に水をあげる姿が印象的で、エージェント視点で語られるカラオケボックスのくだりにはちょっとしたギャグも挟まれ、日常のゆるさと非日常の交差が面白かったです。

 やがて、捜査の焦点は中華系の実業家へと移る。城のような洋館で開かれているパーティーに忍び込んだ主人公たちは、センサーとレーザーが張り巡らされた廊下を四苦八苦しながら進んでいく。どうにか先へ進もうとするが、あっという間に見つかってしまい、館内での追いかけっこが始まる。慌てふためく主人公たちと、完璧な動きで応戦する敵の部下たちとの対比が面白く、緊張感と笑いのバランスが絶妙でした。

 さらに、敵の部下から聞き出した情報をもとに、麻薬工場に潜入するも、やはりすぐに見つかってしまい、またもや追いかけっこに。日本の警察に捕まってしまうが、その直後、車が壁を突き破って現れるという大騒動に。その混乱に紛れて、再び逃走に成功するという、映画らしい大胆な展開が続いていく。

 ついには、押収した麻薬を日本の警察に引き渡して、任務は完了かと思いきや、今度は主人公の妻が誘拐されてしまう。救出のために再び立ち上がる主人公たち。だが、ボスの前に差し出された粉が実はミルクだったことで、場は混乱に包まれる。怒ったボスが銃を乱射する中、エージェントが現れて、スタンガンを駆使して敵の部下を一人ずつ倒していく。その場面はテンポも良く、アクションの見せ場となっていました。

 クライマックスでは、主人公が撃たれて倒れてしまうが、それを見たエージェントが怒りを露わにしてカタキ役を撃破。しかし、主人公は防弾チョッキを着ていて無事だったというお約束の展開もあって、笑ってしまう余地があり。事件の後、主人公はエージェントとして組織に加わり、新たな一歩を踏み出す。そこに現れたのは、敵の部下として行動していた女性。実は彼女も潜入エージェントであり、その鮮やかな仕事ぶりには感心させられます。

 全編を通して、エージェントのキャラクターがとにかく愉快で、自分の過去の武勇伝を語ったかと思えば、相手に口説きを仕掛けていくような大胆さ。どこにでも引っかかるギャグや、ダクトを通って移動するシーンなど、ベタながらもテンポがよく、自然と笑ってしまうところが多かったです。

 そして、後半に登場する倉田保昭さん。登場時は完全にコミカルな立ち位置だったのが、クライマックスではショットガンを持って暴れてくれるというサプライズもあって楽しかったです。アクションとコメディが絶妙に組み合わさった、にぎやかで楽しい作品になっていたと思います。

☆☆☆☆

鑑賞日:2022/08/21 Amazonプライム・ビデオ

監督バオ・ベイアル
出演バオ・ベイアル
クララ・リー
ソン・ジア
グオ・ジンフェイ
ウェン・ジャン
倉田保昭
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