ドラマ【ファーゴ シーズン4】感想(ネタバレ):抗争・裏切り・逃亡劇!濃密キャラが入り乱れる群像サスペンス

Fargo Season 4
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●こんなお話

 移民の街でいろんな犯罪組織が権力争いをしていてイタリア系と黒人系の犯罪組織が争う話。

●感想

 アメリカのミズーリ州カンザスシティを舞台に、複数のギャング組織が入り乱れる抗争劇。そこにサイコパス看護師、脱獄した殺し屋コンビ、それを追いかける保安官、ギャングに買収された保安官まで絡んで、あちこちで事件が連鎖していきます。 

 ユダヤ系の犯罪組織にアイルランド系がやってきて抗争回避のために子どもを交換するけど、アイルランド系がユダヤ系を潰す。その後やってきたイタリア系がまた子どもを交換して、今度はイタリア系が支配権を奪う。さらに黒人系ギャングが登場し、またも子どもの交換が繰り返されるという、血で血を洗う勢力図の入れ替わりが描かれる。

 イタリア系のボスが、子どもに撃たれて重傷を負い病院に運ばれるが、イタリア人だからと治療を拒否されて別の病院に回される。そこにいたのが、患者を次々に殺しては遺品を盗んでいる連続殺人犯の看護師。結局、ボスは彼女によって薬で殺されてしまう。後を継いだ長男と次男は兄弟仲が悪く、組織内でも不穏な空気が続く。

 一方、物語の語り手的存在として登場するのが、アメリカの歴史を書いている少女。向かいに住んでいるサイコパス看護師の異常性に気づき、物語の鍵を握る存在となる。さらに彼女の母親の親戚にあたる殺し屋コンビが脱獄してやってきて、黒人ギャングの金を強奪する騒ぎを起こす。

 その脱獄犯たちを追うのが、正義感の強い保安官。地元のイタリア系組織とズブズブな保安官と対立しながらも、自分の矜持を取り戻していく姿も描かれる。

 また、黒人系ギャングの子どもを世話することになったイタリア系の子分が、その子に情が移り、命令を無視して逃避行に出る展開などもあり、感情の機微にも触れてくる。

 勢力が変わるたびに抗争が勃発し、殺し合いが起きて、それが次々と新たな展開に繋がっていきます。各キャラクターの行動が絡まり合い、ちょっとしたバイオレンスとブラックユーモアが繰り返されるのがクセになるのが相変わらずのこのシリーズの特徴。途中で「これって本当にファーゴなのか?」という気持ちにもなったりもしましたが、エピソードごとの構成がしっかりしていて、次が気になって観続けてしまうものでした。

 後半は因果応報的に登場人物があっさり退場していく展開が心地よく、緊張感を保ったまま見届けられました。全11話、飽きずに楽しめる良質なシリーズだと思います。

☆☆☆☆

鑑賞日:2023/10/22 Amazonプライム・ビデオ

製作総指揮ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
監督ノア・ホーリー
出演クリス・ロック
ベン・ウィショー
ジャック・ヒューストン
ジェイソン・シュワルツマン
ジェシー・バックリー
イマリ・クラッチフィールド
ティモシー・オリファント
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