映画【蒲田行進曲】感想(ネタバレ)

Fall Guy (1982)
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●こんなお話

 蒲田の撮影所でスター俳優と大部屋俳優の友情と女優さんの話。

●感想

 東映の撮影所を舞台に大スターの主役俳優がライバルとアップの数を競い合っているところから始まって、最近落ちぶれてきたと酔っぱらう大スターを励ます子分の大部屋俳優。家に帰すと恋人が待っている。

 大部屋俳優が家にいるとスターがやってきてスキャンダルになると困るから妊娠中の恋人を置いていってしまう。スターのために了解した大部屋俳優。病気で入院した恋人のために危険な仕事を次から次にこなしていってボロボロになりながら頑張る。スターは新しい恋人のためができそうだから自分の素晴らしさをその人のために説明してくれてと恋人に無茶ぶりしてきたり。彼女のために家を改装したりして、心が動いた恋人は結婚することにして大部屋俳優の実家へ。

 大歓迎をうけて凱旋して母親から息子を託される恋人。そこからお腹が大きくなっていって幸せな生活を送る2人。撮影所に行ったらふて寝しているスターがいて話をしたら、結婚しようと言われて戸惑う恋人。スターは自分の役割が減っていくことに失踪騒ぎを起こしてしまう。大部屋俳優はスターのために命を失うことが確実な階段落ちを了承。

 生命保険とか会社の偉い人たちの期待が高まる中、恋人は止めるけどもうやめられないと決意する大部屋俳優。そしてクライマックスの池田屋騒動の撮影をして階段落ちをしておしまい。

 「♪虹の都、光の港、キネマの天地」という主題歌に始まり。ラストカットのみんなの笑顔まで。最初から最後まで全てが見所の素晴らしい映画でした。まさに、笑って泣けて友情や昭和の男女の恋愛感を観測的に見られて全てが詰まった映画で最高です。

 主人公の3人のキャラクターが最高によくて、演劇のような大きなお芝居をしますが、それが作品の魅力をあげているのがすごいです。後先考えずに身勝手な男とそんな男を何も言わずに待ち続ける女。昭和! って感じです。主役たち以外の人たちも愛すべきキャラクターで笑えるし泣ける役を演じていて素晴らしいです。

 キャラクターも素晴らしいですが、話の転がりもノンストップで次から次に問題が起きていってテンションの高い主人公たちがそれを乗り越えていく姿。銀ちゃんのなかなか考えられない他人の人生を振り回すということがスターなのか自己中心的なキャラクターなのかぶっとんでいてふりまわされました。

 映画を作る楽しさ、辛さ厳しさ、完成したときの喜びや満足感。まさに、映画人が作った映画という映画でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2012/03/09 DVD 2023/11/19 Hulu

監督深作欣二 
脚本つかこうへい 
原作つかこうへい 
製作角川春樹 
出演松坂慶子 
風間杜夫 
平田満 
高見知佳 
原田大二郎 
蟹江敬三 
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