映画【ジャンゴ 繋がれざる者】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 賞金稼ぎとその賞金稼ぎが狙っている相手の顔を知っている奴隷がバディとなって奴隷の恋人を助け出そうとする話。

●感想

 奴隷が引き連れられいるところに歯医者のドイツ人が1人の奴隷を探していて契約でその奴隷を引き取ろうとする。けれど銃撃戦になって白人を殺してドイツ人が主人公のジャンゴを引き取る。

 ジャンゴが自分が狙っている賞金首の顔を知っているとのことで指をさしてほしいということで一緒に旅をして、その道中でも賞金首を討ち取ってお金儲けをしたり。

 白人至上主義者たちに狙われたりするけれど逆に返り討ちにしたりしてジャンゴが射撃の腕があるので一緒に賞金稼ぎをしようという事で旅をして、ジャンゴの恋人が慰安用の奴隷となっているキャンディランドという場所へ向かう。

 そこで農園主のキャンディに格闘用の奴隷を買い取る交渉という目的でジャンゴの奥さんを助け出そうとする。道中で奴隷同士で殴り合わせたり、逃げた奴隷を犬に襲わせたり、灼熱バスに閉じ込めたりを目の当たりにしたり。

 交渉の席で1万2000ドルで格闘用の奴隷を買い取る交渉成立したけど、キャンディに仕える黒人奴隷がキャンディに注進して主人公たちの目的に気付いて、ジャンゴの恋人を1万2000ドルで買い取らせる。最後に握手して契約成立という流れになって、それに耐えられなかったドイツ人がキャンディを射殺、ドイツ人も撃たれる。ジャンゴが銃撃戦で撃ちあうけど恋人を人質に取られて降参。

 酷い場所に奴隷として運ばれることになるけれど、ジャンゴはキャンディランドに賞金首があるということを運んでいる男たちに話して解放してもらって、その後キャンディランドに乗り込んで白人を射殺していく。そして恋人を救い出して、白人に仕えていた黒人をダイナマイトで殺してキャンディランドが燃えて恋人と去る主人公でおしまい。

 アメリカの奴隷制度の残酷さを描いていて、格闘専用の黒人がいてお互い殺しあわせたり犬に食い殺されたりと見るに堪えない描写があって。しっかりとアメリカの暗部を描いている映画だと思いました。白人だけが悪いのではなく、サミュエル・L・ジャクソン演じる黒人さんが白人に従うという人も大勢いたんだなと勉強になりました。レオナルド・ディカプリオが話している後ろで、大げさに頷いたり目を見開いたりしているお芝居が笑えるものでよかったです。

 前半はドイツ人賞金稼ぎが、狙っている一味の顔を知っている黒人奴隷のジャンゴを連れて旅をするバディ・ムービーとなっていて。特にこのドイツ人が、街の保安官をいきなり射殺して、何をするのかと思いきや。自分の身分を明かし、正式に賞金首を討ち取っていることを宣言したりするところはとても面白かったです。法律とか契約を武器に突破していく面白さ。そして、この賞金稼ぎの影に隠れがちになりそうですが、ジャンゴの魅力も失われていないのが凄いです。怒りをエネルギーにしていつ爆発するのかという緊張感。

 ジャンゴのガンマンとしての成長物語の前半でしたが、レオナルド・ディカプリオ演じる富豪のもとにジャンゴの奥さんがいるとわかってから。富豪のもとに身分を偽り格闘用の奴隷を買い取るというのを名目に何とか奥さんを奪おうとする流れから、この監督さんらしいシークエンス自体は少ないのに1つのシーンが恐ろしく長いというものになってからは少し退屈する時間が多かったです。骨格の話とかの似非科学をボケっと聞いていました。

 ジャンゴ1人でキャンディランドの白人たちと銃撃戦が血しぶきが凄くて銃声も激しく盛り上がる銃撃戦でよかったです。

 ただ1番の問題は、主人公のジャンゴを助けることとなるドイツ人が何を考えているのかがわからないことでした。賞金稼ぎですから、お金を1番に考えてるのかと思いきやそうでもなく、奴隷であったジャンゴをひたすら見守り味方となる。何故、その行動をするのか? 「自分には責任がある」と言ってましたが、一体その信念はどこから来るのか? 少しでも背景を描いてほしかったです。良いヤツということで好感の持てる人物ではありましたが、「我慢できなかった」という台詞が全く感動的でなく。何であの行動をとったのかわからず、最初は金しか目当てではなかったのに、ジャンゴとの出会いによって変化して、金ではなく友情が芽生えてからの「我慢できなかった」と友だちのために銃を撃つ。という行動だったら感動できると思うのに。ただ、かっこつけて喋るおじさんにしか見えなかったです。

 2時間45分はジャンル映画としては長すぎでラスト30分くらいからは失速してしまう印象でしたが、奴隷制の酷さ+西部劇の面白さが詰まった1本だと思いました。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2014/03/16 Blu-ray 2022/11/18 NETFLIX

監督クエンティン・タランティーノ 
脚本クエンティン・タランティーノ 
出演レオナルド・ディカプリオ 
ジェイミー・フォックス 
クリストフ・ヴァルツ 
ケリー・ワシントン 
サミュエル・L・ジャクソン 
ウォルトン・ゴギンズ 
デニス・クリストファー 
ジェームズ・レマー 
フランコ・ネロ

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