●こんなお話
猟奇殺人を追いかける刑事と謎の男の攻防の話。
●感想
精神科医と主人公の奥さんが話しているところから始まって、娼婦が男性に殺される事件が発生。主人公の刑事がホテルの通風口にいた犯人を発見して事情聴取をするけど要領を得ない。友達の医者と似たような手口の殺人が連続して発生しているのが不思議。
海岸に若い男がいて彼と話して家に招いた教師が話をするけれど記憶喪失らしい若い男性がちぐはぐな会話をしてライターの火を向ける。教師は妻を殺害。
主人公は奥さんと旅行行こうとか話すけど、奥さんは洗濯機をまわしたり。高いところにいた若い男性を警官が声をかけて交番に。ここでも会話が成り立たずライターの火を警官に見せる若い男性。交番の警官が同僚の警官を銃殺。
若い男性を女医が治療するけど案の定、若い男性が女医と話して女医が公園のトイレで殺人をする。
主人公が若い男性の住居を捜索して、主人公が奥さんが自殺する幻想を見たり。若い男性が捕まっている場所に行くと医者が勝手に別の病院に移送している。
主人公は奥さんの行動にイライラが爆発してブチ切れたり。友人の医者が昔の催眠療法のビデオの話をしているけど、その医者が若い男性に会いに行っていて洗脳されてしまったことがわかる。そして医者は後日自殺。
主人公は若い男性を逃がして廃墟に行って話をしようとするけど主人公が銃殺。
主人公がファミレスでコーヒーを飲んでいてウェイトレスが他のウェイトレスに向かってナイフを持っていくところでおしまい。
同じ手口の殺人が起こるけど、全部違う犯人はすぐ捕まるけど殺人を犯すような人ではなく記憶があいまいになっている。 事件を追いかける刑事が謎の男を捕まえて対峙していく……。という話ですが。
映画にはほとんど音楽がなく、生活音が印象的に流れてそれが不気味な雰囲気を出していて凄いです。殺風景な病院や固定カメラで距離が離れた人物配置など、見ていて不思議な気持ちになってしまう空気感の作り方が最高でした。幽霊も怪物も出てこないのに、何かがいるような感覚の映画で、それだけでも素晴らしいことで見る価値のある映画だと思います。主人公の刑事の奥さんが空の洗濯機を回している。それだけでホラーを見てる感覚になります。
雰囲気は上質なホラーですが、話の展開自体は萩原聖人さん演じる謎の男が海岸に登場して、ここの初登場シーンの素晴らしいこと。この謎の男を追及する会話劇。 この男が何回も同じ質問を繰り返して、役所広司さん演じる刑事がイライラするのも納得なイライラキャラクターでした。 謎の男は人間の奥深くに存在する憎悪みたいなものを引き出させ殺人を起こしてしまうという。
主人公の刑事が謎の男と対峙して自分の妻にたいしての不満をぶちまけるシーンから主人公がおかしくなっていったと思います。 意味深なカットなんかがさしこまれ、どこからが妄想なのかなんなのかがわかりにくくなります。面白かったのは、クリーニング屋に預けたけど店員はもらってないとやりとりするシーン。ここで主人公が店員のどちらかが記憶がおかしくなっていることがわかります。
そして、謎の男に対しての主人公の行動。ここでの拳銃の音と光が謎の男のライターであり水であるのだと思いました。最後のファミレスで主人公が伝道者になったのだとボクは思いました。その後の店員さんの行動の怖さ。
明確な答えを出さないままのエンドクレジットで謎だらけの映画ですが、抜群の雰囲気とストーリー展開で魅せてくれる映画で最高でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2013/03/12 Hulu 2025/03/25 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 黒沢清 |
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脚本 | 黒沢清 |
出演 | 役所広司 |
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萩原聖人 | |
うじきつよし | |
中川安奈 | |
洞口依子 | |
戸田昌宏 | |
でんでん | |
螢雪次朗 | |
大鷹明良 | |
大杉漣 |