●こんなお話
ニューヨークでなんか知らないけどパニックが起こって逃げまどう人の話。
●感想
ある同僚の日本への転勤を祝う送別会から物語が始まります。友人たちが順番にカメラの前でお祝いのメッセージを語る中で、和やかな雰囲気が続きます。しかしその裏で、浮気が発覚して怒りを爆発させる人物がいたり、カメラを回していた主人公が密かに思いを寄せていた女性の姿を見つけ、話しかけようとするも断られてしまうなどが描かれます。
遠方で突如として爆発が発生。通りに出て様子を確認しようとすると、自由の女神の頭部が宙を舞い、大きな衝撃と共に眼前に落下してきます。その瞬間からマンハッタンは未曾有の大混乱へと突入。
人々は避難を開始し、主人公たちも橋を渡って逃げようと試みますが、突如現れた巨大な怪獣が橋を襲撃。その場で多くの命が失われてしまいます。混乱の中、主人公のもとに恋人から電話が入り、彼女がどこかの建物の倒壊した瓦礫に閉じ込められて身動きが取れないことが判明。主人公たちは危険を顧みず、彼女を救出するため街へ戻る決断を下します。
その道中では、巨大怪獣の襲撃を受ける場面や、地下鉄を通って逃げる中で、怪獣の体内から生まれたと思われる小型のクリーチャーに襲われる展開があったり。仲間の1人が噛まれた結果、謎の症状を発症し、最終的には爆発してしまうという。
崩れかけた高層マンションの中に閉じ込められていた恋人をなんとか救出することに成功しますが、脱出のために乗り込んだヘリコプターも、怪獣の攻撃を受けて墜落。最後は生き残った数名が橋の下に避難し、空爆によってすべてが吹き飛ばされるような形でおしまい。
本作の序盤約20分は、送別会の様子や登場人物の恋愛模様などが中心に描かれており、正直やや退屈に感じられました。個人的には、登場人物たちの恋愛模様や過去の関係性が延々と続くシーンにはあまり興味が湧かず、感情移入もしづらかった印象です。
しかしながら、突如として発生する爆発や自由の女神の首が落下する衝撃的な場面を皮切りに、物語は一気にテンポアップ。何が起こっているのか分からない状況で視点が進行していくため、視聴者としては非常に臨場感があり、ドキドキしながら見入ってしまいました。
一方で、登場人物たちが常に叫び合っていたり、時に協力し合わず喧嘩を繰り返す様子には、少々苛立ちを覚える場面も。終始一貫して女性を助けに行くという目的で動いている映像記録としての形式で描かれているため、ストーリー展開における多様性や深みには欠けていた印象もあります。
また、怪獣のデザインについても、個人的にはあまり魅力的とは感じられず、迫力に欠けた部分も否めません。ただし、上映時間が80分と比較的コンパクトであることから、テンポよく鑑賞できた点は評価できるポイントです。映像の迫力や臨場感あふれるカメラワークなど、没入感の高い演出は非常に楽しめました。
全体としては、緊張感と映像演出を重視したモキュメンタリースタイルの作品として、斬新な体験を提供してくれる一本だと感じました。
☆☆☆
鑑賞日:2009/04/22 DVD 2024/09/28 Amazonプライム・ビデオ
監督 | マット・リーヴス |
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脚本 | ドリュー・ゴッダード |
出演 | マイク・ヴォーゲル |
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ジェシカ・ルーカス | |
リジー・キャプラン | |
マイケル・スタール=デヴィッド | |
オデット・ユーストマン | |
T.J.ミラー |