映画【ミラクル7号】感想(ネタバレ):香港発ハートフルSF映画!親子と宇宙生命体が織りなす感動のドラマ

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●こんなお話

 食べるものにも困る父子がいて、父親は教育こそ大切と有名私立高校に通わせていて、ある日ゴミ捨て場から拾ってきたゴムボールが生命体で、息子さんと交流して学校生活が変わっていく話。

●感想

 建築現場で懸命に働く父親と、その息子が登場します。親子は経済的には決して豊かではないものの、心は温かく、互いを思い合いながら穏やかに暮らしている。息子は父の願いにより、裕福な子どもたちが通う名門校に通っています。しかしながら、学校では「貧乏でもいい」と発言して教師に叱られたり、クラスメートからは高価なおもちゃを自慢され、自身の立場に劣等感を抱くようになります。

 そんなある日、父親が建築現場で廃棄されたテレビを見ていると、偶然にも宇宙船が現れ、謎の丸いゴムのような物体を残して去っていきます。父親はその物体を持ち帰り、息子に見せますが、当初は単なる異物としか思われません。ところが、息子はその物体が生きていると直感し、しばらくして実際に動き出すことに二人は驚愕。

 この生命体には、不思議な能力があることが判明し、学校で困っていた息子のためにさまざまな「発明品」を提供し始めます。たとえば、試験でカンニングができる眼鏡、足が速くなる靴など、まるでドラえもんのように便利な道具を生み出し、息子は一気に学内のヒーローとなっていきます。しかしながら、それはすべて息子の夢の中の出来事であり、現実では生命体は何の道具も作れず、怒った息子は生命体をゴミ箱に捨ててしまいます。

 その後、息子は自身の態度を反省し、生命体と再び心を通わせます。やがて学校でいじめっ子と用心棒との間にトラブルが発生し、息子が想いを寄せる女の子がその争いに巻き込まれます。そして物語は、父親が建築現場で事故に遭い命を落としてしまうという。

 失意に沈む息子の前に、再び生命体が現れます。生命体は不思議な力で父親の命を蘇らせ、その後、自身は力を使い果たし人形のようになってしまう。最後にはその生命体の仲間たちが大量に登場しておしまい。

 作品全体としては、王道の展開やベタな演出が多用されておりますが、逆にその潔さが気持ちよく、香港映画らしい勢いと感情の爆発が魅力的です。とぐろを巻いた排泄物を使ったギャグシーンなど、現代ではなかなか見られないような攻めたユーモアも盛り込まれており、良い意味での「突き抜け感」が作品全体を包み込んでいると思いました。

 また、学校生活におけるいじめや、教師との対立といったリアルな問題を扱いつつ、ファンタジー要素によって乗り越えていく展開は、子ども向け作品でありながら大人も楽しめるバランス感覚を持っています。巨大な女の子といじめっ子が繰り広げる長尺の格闘シーンも見応えがあり、アクションとコメディの融合が巧みに描かれていました。

 終盤の父親の事故から生命体の「奇跡の行動」に至るくだりは、やや唐突な展開ではあるものの、突拍子のなさすら作品の持ち味として受け入れられる雰囲気があり、むしろその不条理さが心に残ります。そして、画面いっぱいに登場する生命体の仲間たちによって、観る者を笑顔に包むような、ハッピーエンドが用意されていました。

☆☆☆

鑑賞日: 2017/03/21 NETFLIX 2024/08/18 U-NEXT

監督チャウ・シンチー 
脚本チャウ・シンチー 
ヴィンセント・コク 
ツァン・カンチョン 
サンディ・ショウ・ライキン 
フォン・チーチャン 
ラム・フォン 
出演シュー・チャオ 
チャウ・シンチー 
キティ・チャン 
リー・ションチン 
フォン・ミンハン 
ホアン・レイ 
ヤオ・ウェンシェエ 
ハン・ヨンホア 
ラム・ジーチョン 

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