●こんなお話
紀元前から復活したスーパーパワーの持ち主が正義のヒーロー軍団と戦ったり悪魔の神様みたいなのと戦ったりする話。
●感想
紀元前のとある国。伝説の力をもたらすとされる宝石を求めて、奴隷たちが強制労働を強いられていた。ある奴隷がその宝石を見つけるが、兵士に殺されてしまう。少年が立ち上がるも処刑されそうになり、その瞬間に神の力を宿してスーパーパワーを手に入れ、暴君の王に立ち向かうという逸話が伝わる。
時代は現代に移り、軍が支配する国で反政府組織が宝石を探していた。軍が介入し、少年の母親が禁断の呪文を唱えると、伝説の力を持つ存在が降臨する。彼は圧倒的な力で軍を蹴散らし、人々は歓声を上げる。だが、その力を危険視したスーパーヒーロー軍団が現れ、平和的に解決を試みるも受け入れられず、激しい戦いへと突入する。市民は軍を倒す存在を支持し、ヒーロー軍団には罵声を浴びせるという構図が描かれる。
物語はさらに動き出す。少年が隠し持つ王冠を巡って仲間だと思っていた人物が裏切り、逃走劇が始まる。主人公は少年を守ろうとするが追跡は失敗。母親の願いにより、主人公とヒーロー軍団は協力して敵の本拠地に挑む。やがて敵を倒し一件落着するかと思いきや、主人公は自らの力を封じ、冷凍睡眠のような状態で投降する。しかし、宿敵は自ら死を選んだふりをして地獄から蘇り、さらなる脅威となる。ヒーロー軍団は歯が立たず、絶望の中で主人公が再び立ち上がり、最後は強敵を真っ二つにして街の守護者となることを選ぶ。
紀元前から現代へと続く壮大な物語の導入は説明的で流れが掴みにくかったですが、主人公が現代に復活してからのバトルは迫力満点でした。命を軽んじる彼と、どの命も大切にすべきだと語るヒーロー軍団の対立構図が面白く、倫理観の違いが鮮明に描かれていたと思います。アクションはスローモーションを効果的に使い、重厚な肉弾戦が映像的にも見応え十分でした。他のヒーロー映画と一線を画すアクションの見せ方が印象に残ります。
主人公が復活する経緯など細部の理屈は理解しづらい部分もありましたが、悲しい過去が明かされる展開には意外性がありました。また、ピアース・ブロスナンの渋みのある存在感が全体を引き締め、余韻を残してくれる一本だったと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2022/12/11 新宿ピカデリー
監督 | ジャウマ・コレット=セラ |
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脚本 | アダム・ステイキエル |
ローリー・ヘインズ | |
ソフラーブ・ノシャーバニ |
出演 | ドウェイン・ジョンソン |
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ノア・センティネオ | |
オルディス・ホッジ | |
クインテッサ・スウィンデル | |
ピアース・ブロスナン |