映画【進撃の巨人 ATTACK ON TITAN】感想(ネタバレ):壮絶な展開と驚異の特撮で描く絶望と再生の物語

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●こんなお話

 巨人が人間を食べちゃうってんで人類滅亡の危機だので、ひとまず巨人が壊した壁を修理に行こうとする話。

●感想

 ある日、突如として人類を襲った巨人たち。その後、人類は自衛のために巨大な壁を築き、かろうじて平和を保ちながら100年もの年月を過ごしてきました。物語は、そんな「平和」の中に生きる若者たちの葛藤と絶望、そして反撃の始まりを描いています。

 主人公とその友人たちは、近年まったく姿を見せない巨人に疑問を抱き、壁の外の世界に夢を抱くようになります。そんな彼らの前に、突如として超大型の巨人が現れ、壁を破壊。人類の平穏は一瞬にして崩壊します。

 砲撃で応戦する兵士たちも歯が立たず、次々と巨人に喰われていく恐怖。民衆たちもパニックに陥る中、主人公の恋人が目の前で巨人に殺されてしまうという展開が描かれます。

 物語はそこから2年後に移り、主人公は兵士として訓練を受ける立場となっています。とはいえ、部隊内では新兵同士の衝突も絶えず、壁の外への調査中には突如聞こえてきた赤ん坊の泣き声が、実は巨人の罠であることが判明。再び仲間たちは混乱し、命の危機に。

 その危機を救ったのは伝説の兵士。ですが、彼の隣には、死んだはずの恋人の姿が…。

 その後も仲間の死、爆薬の喪失、そして主人公の自己犠牲などの展開が続きます。しかし、巨人に食べられたと思われた主人公が新たな巨人として現れ、巨人同士の壮絶な戦闘が繰り広げられる場面で前編はおしまい。

 本作は100分にも満たない上映時間ながら、序盤から怒涛の展開で観客を圧倒。特に序盤の壁が破壊されてから現れる巨人たちの異様さと恐ろしさは非常に印象的でした。特撮のクオリティも非常に高く、大作ならではの迫力を感じました。巨人同士の戦いは、まるで怪獣映画のようで見応えがあります。

 ただし、ストーリーに関しては、原作を知らないと理解しづらい部分が多く、世界観の説明不足も目立ちました。例えば「ガスがない」と言われて初めて立体機動装置がガスで動くと知るような場面もあり、車での移動なども含め、設定に対する補足がもう少しあれば、より没入できたかもしれません。

 また、漫画原作の実写化という点では、日本映画の課題ともいえる「演技の過剰さ」が気になりました。長谷川博己さんや石原さとみさんの演技は、良くも悪くも浮世離れしており、時に笑いを誘ってしまう場面もあります。特にリンゴを後ろから食べさせるシーンの意図などは、観客にとって謎が残る演出でした。

 登場人物たちも新兵とはいえ、あまりにも未熟すぎる行動や態度に、感情移入しづらい部分がありました。逃げ惑うばかりで、兵士としての自覚に欠ける描写や、突如として性欲を爆発させる場面など、現実味を欠く演出も気になりました。

 武田梨奈さんの豹変ぶりや、主人公が感情的に叫んでばかりでキャラクターとしての魅力が薄かったこともあり、後編への期待に託されている印象です。

 クライマックスでは、主人公が仲間を救おうと巨人の口を手で塞ぐというシュールな場面もありましたが、その後の展開はまさに衝撃的で、思わず笑ってしまうような名シーンでもありました。

 未解明の部分が多く残されており、物語の全貌が明かされる後編への期待が高まる作品です。

☆☆

鑑賞日: 2015/08/07 109シネマズ川崎 2016/03/08 Blu-ray 2024/08/31 U-NEXT

監督樋口真嗣 
脚本渡部雄介 
町山智浩 
原作諫山創
出演三浦春馬 
長谷川博己 
水原希子 
本郷奏多 
三浦貴大 
桜庭ななみ 
松尾諭 
渡部秀 
水崎綾女 
武田梨奈 
石原さとみ 
ピエール瀧 
國村隼 

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