●こんなお話
アニメを制作する人たちのクリエイティブなことをする大変さやりがいを描いた話。
●感想
入社試験を受ける主人公が登場し、その7年後に彼がアニメーション監督として活躍している場面から物語は始まります。主人公が初めて監督を務める作品と、同じ枠で復帰を果たした天才監督の新作が放送されることになり、両者の対決がメインテーマとなって展開されます。制作現場の緊張感や、アニメの舞台となった地方の人々の反応も細やかに描かれており、アニメ制作の裏側をリアルに感じることができます。
主人公は、憧れの天才監督を超えたいという強い思いから全力を尽くします。しかし、プロデューサーとの間には摩擦が生まれます。冷徹で合理的なプロデューサーは、スタッフや見た目だけで声優を選ぶこともあり、その結果として人間関係の軋轢や仕事上の葛藤が描かれております。天才監督もまた、ゼロからアイデアを練り上げる産みの苦しみや、プレッシャーと戦いながら作品を作り上げていきます。プロデューサーは会社側からの様々な要求や交渉にも苦慮し、その姿もまた丁寧に描かれてます。
物語はクライマックスに向けて、制作チームが一丸となり主人公を支え、いわゆる義理人情の精神が発揮される浪花節的な熱い展開となります。最終話が完成し、主人公は自分の作品がどこかの誰かにしっかりと届いたのだと感じ、笑顔を浮かべて物語を締めくくります。
この作品は、アニメーションを作るという営みの複雑さや繊細さ、そして人と人との関係性を丁寧に描いてると思いました。クリエイターが自分の描きたいものを追い求める一方で、興行的成功や多くの視聴者に届くことという現実的な課題との葛藤もよく表現されています。劇中に登場するアニメーション作品自体は抽象的で、何が起こっているのかを正確に理解するのは難しいものの、その圧倒的な存在感や説得力は観る者に強い印象を与えます。
また、制作現場や宣伝側の視聴率至上主義もリアルに描かれており、令和の時代においても視聴率を気にする姿勢が変わらないことに気づかされました。夕方5時の放送時間帯に、多くの人がスマートフォンを通じてアニメを視聴し、SNSで情報が拡散されていく様子は、現代の社会と密接に結びついています。こうしたアニメーションを取り巻く社会現象の大きさや熱狂の様子を知ることができ、まさに自分の知らなかった世界を垣間見る貴重な機会となりました。
☆☆☆
鑑賞日:2023/01/21 NETFLIX
監督 | 吉野耕平 |
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脚本 | 政池洋佑 |
原作 | 辻村深月 |
出演 | 吉岡里帆 |
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中村倫也 | |
柄本佑 | |
尾野真千子 | |
工藤阿須加 | |
小野花梨 | |
高野麻里佳 | |
前野朋哉 | |
矢柴俊博 | |
新谷真弓 | |
松角洋平 | |
水間ロン | |
前原滉 | |
みのすけ | |
古舘寛治 | |
徳井優 | |
六角精児 |