映画【エア・ストライク】感想(ネタバレ):重慶爆撃下で描かれる人々の奮闘と空戦アクション

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●こんなお話

 重慶爆撃に対抗する国民党の空軍の話。 

●感想

 重慶爆撃が激しさを増す中、現地の空軍は日本軍の猛攻に押され、なかなか迎撃に動くことができない状況にあった。そんな中、主人公は「トラックを護衛して重慶まで運べ」という任務を受け、民間人と共に目的地を目指すことになる。

 護衛隊の中には、部下の兵士たちだけでなく、ブタの研究をしている博士や、素性のよく分からない男、子どもを連れた母親など、個性の強い顔ぶれが途中から加わる。彼らは日本軍の攻撃を避けつつ進み、時には空襲の影に怯えながらも前進を続ける。その間、アメリカ人司令官のもとでは、出撃を望むパイロットたちを「まだ時期ではない」と抑える場面も描かれる。また、重慶で家族の帰りを待つ人々の姿や、届く悲報も挟み込まれ、戦時下の重慶の空気が描かれる。やがて主人公はトラックを無事に目的地まで届け、上官から任務達成を讃えられる。

 全編を通して、登場人物は次々に現れては消えていき、物語は多くの断片的なエピソードで構成されている印象を受けます。そのため、誰が中心となって物語を牽引しているのかが掴みにくく、観客としては戸惑う瞬間がありました。米軍司令官なのか、トラック護衛の兵士なのか、あるいは空軍パイロットたちなのか、物語の焦点が移り変わっていくため、一本筋の通った主人公像が見えにくく感じられます。

 空中戦や爆撃の場面も突発的に挿入され、まるでゲームのように場面が切り替わる印象です。特に、ブルース・ウィリス演じる司令官が自ら操縦桿を握って戦闘に加わる展開や、エイドリアン・ブロディ演じる医者が突然現れたかと思えばあっという間に退場する流れは、観ていて少し混乱を覚えました。

 終盤はなぜか麻雀大会のシーンへと繋がり、戦争アクションとしての方向性が一気に変わっていく構成も独特です。戦争映画らしい緊張感や一貫したテーマ性よりも、場面ごとのエピソード性や多彩なキャストの顔見せが重視されている印象を受けました。個々のシーンに面白さや派手さはありつつも、全体としては物語のまとまりよりも断片の積み重ねが強く感じられる作品でした。

☆☆

鑑賞日: 2019/04/18 DVD 2023/09/01 Amazonプライム・ビデオ

監督シャオ・フェン 
脚本チェン・ピン
出演ブルース・ウィリス 
リウ・イエ 
ソン・スンホン 
ファン・ビンビン 
ニコラス・ツェー 
エイドリアン・ブロディ 

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