映画【酔いどれ天使】感想(ネタバレ):戦後ヤクザと医者の人間ドラマ

A Drunken Angel
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●こんなお話

 肺結核で苦しむヤクザと彼を治療した医者の話。

●感想

 泥沼の近くに建つ病院に、手をピストルで撃たれたヤクザが治療を受けにやってくる。応急処置をする医者は、レントゲンから彼が肺結核にかかっている可能性が高いことに気づく。だがヤクザは、忠告を受け流し、ダンスホールで踊るなど気ままな生活を続ける。

 医者はそんなヤクザを外へ連れ出し、病の深刻さを説くが、ヤクザは検査の結果を突きつけられるのが怖いのか、はっきりと病名を聞こうとしない。医者のもとで働く女性は、かつて自分を追っていたヤクザが出所したかもしれないと怯えている。

 一方、セーラー服を着た少女が病院を訪ねてくる。彼女もかつて結核を患っていたが、養生生活のおかげで回復し、元気な様子を見せる。その姿に医者も励まされる。再びやってきたヤクザに医者は「この少女のほうがあんたより勇気がある」と伝える。

 大病院の医者から、ヤクザが密かにレントゲン検査を受けていたことを聞かされる。そしてある夜、酔っ払ったヤクザが医者のもとを訪れ「治るのか?」と不安げに尋ねる。医者はまっすぐに「治る」と断言する。

 その言葉に突き動かされたのか、ヤクザは断酒を始め、これまでの荒れた生活を見直しはじめる。その変化に愛人も驚きを隠せない。だが、病は進行しており、ある日突然吐血して倒れてしまう。愛人にも見捨てられ、ヤクザとしての縄張りも他の組に奪われそうになる。

 追い詰められたヤクザは、ナイフを手に敵対するヤクザを襲撃するが、返り討ちにあい命を落とす。病院の近くの泥沼を見ながら、医者はひとり言のように語る。やがて元気になった少女が現れ、「あんみつをおごって」と明るく声をかけ、2人であんみつを食べに向かうラストシーンでおしまい。

 戦後の混乱と荒廃が残る日本の風景を背景に、病気と向き合う人々の人間模様が丁寧に描かれていました。現代では当たり前に感じてしまう医療の発展やインフラの整備が、どれだけ尊いものなのかを改めて実感させられます。そして、「フン!」と本当に口に出して言うキャラクターが出てくる映画としても、印象深い一本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2023/09/21 U-NEXT

監督黒澤明 
脚本植草圭之助 
黒澤明 
出演志村喬 
三船敏郎 
山本礼三郎 
中北千枝子 
木暮実千代 
千石規子 
飯田蝶子 
進藤英太郎 
殿山泰司 
河崎堅男 
木匠久美子 
堺左千夫 
久我美子 
笠置シヅ子 
清水将夫 
城木すみれ 

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