映画【ソウル・サーファー】感想(ネタバレ):片腕を失った少女が波に挑む感動の実話!

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●こんなお話

 サーフィンを頑張る主人公の話。

●感想

 プロサーファーの両親を持ち、本人もまたサーフィンの才能に恵まれた少女が主人公。太陽がまぶしい海辺の町で、彼女は家族とともに波に乗り、時には親友と、時には幼なじみの男友達と笑い合いながら、日々を過ごしている。序盤はそんな主人公を取り巻く温かな日常が描かれていき、観ているこちらも自然と微笑んでしまうような空気に包まれていました。

 映画の冒頭25分ほどは、まさに理想の家族と仲間たちの姿が目に焼きつきます。サーフィンをする姿、家族で食卓を囲むひととき、学校で交わす何気ない会話。そのひとつひとつが彼女にとっての「普通」であり、同時に失いたくない大切な時間であることが丁寧に伝わってきます。

 そんな穏やかな日常に、突如として非日常が入り込んできます。サーフィンのシーンに挟み込まれる海中からの視点。そのカメラワークが不穏な空気を漂わせ、何かが起こる予感を少しずつ積み重ねていく。その緊張感の中で、ついに彼女はサメに襲われてしまい、片腕を失うという衝撃的な展開が訪れます。

 驚かされたのは、事故後の主人公の行動でした。絶望や恐怖に打ちのめされるかと思いきや、すぐに「また波に乗りたい」と口にする姿に驚き、同時にその強さに感心させられました。むしろ彼女の親友の方がショックを引きずっているようにも見えて、心の痛みの抱え方は人それぞれだと実感しました。

 もちろん、すべてが順風満帆ではなく、家族全員が傷つき、どうしていいかわからずにもがく姿も描かれていきます。両親の戸惑いや落ち込み、兄弟のやるせなさなど、主人公だけでなく周囲の人々の視点にも寄り添っている点に、作品の温かさを感じました。

 そこからは、仲間や家族、そして学校の先生など、あらゆる人々が彼女の背中を押すように支え、再びサーフィンの世界に立ち戻れるように全力でサポートしていく流れになります。ひたむきに努力を重ねて一歩ずつ前進していくその姿は、まさに王道のスポ根ドラマ。応援したくなる気持ちが自然と湧き上がってきました。

 それでも、すべてが順調に進むわけではありません。仲間とぶつかり、傷つき、自信を失ってしまう場面も描かれます。そんな中、彼女が参加したスマトラ沖地震のボランティア活動が大きな転機となり、新たな決意を胸に再び波に立ち向かう姿はとても印象的でした。ただ、途中で少しだけ、主人公に対して「少し甘えているのでは?」と感じてしまう瞬間もあったことは正直にお伝えしたいです。

 それでも、迫力あるサーフィンシーンや臨場感のある大会の描写には目を見張るものがありました。最後には見事な演技と演出によって、物語全体が美しくまとまり、スポーツを通じて立ち直ろうとする姿をしっかりと描き切った作品だったと思います。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/03/18 Blu-ray

監督ショーン・マクナマラ 
脚本ショーン・マクナマラ 
ダグラス・シュワルツ 
デボラ・シュワルツ 
原作ベサニー・ハミルトン
シェリル・バーク
リック・バンシュー 
出演アナソフィア・ロブ 
デニス・クエイド 
ヘレン・ハント 
ロレイン・ニコルソン 
キャリー・アンダーウッド 
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