●こんなお話
通り魔殺人の被害者の両親が被害者救済の立法化までの戦いの話。
●感想
実際の事件をモデルにしていて、工場を営む主人公にやっと一人前になった息子をほほえましく思っていて、婚約者もいて幸せの絶頂だったけど。ある日、何の動機もなく殺害されてしまう。加害者には弁護士もついて国から守られているのに、被害者には何の保証もないことに気づいて、何とか救済してもらおうと全国の犯罪被害者に会っていく。反対されたりもしつつ、だんだんと社会の流れも変わってきて。
なんといっても若山富三郎さんのお芝居が圧巻で本当に息子さんを殺されて寝込んでしまって心配になってしまうという実在感が凄かったです。この人、このまま死んじゃうんじゃないかと感じてしまいました。階段を転げ落ちるシーンも本当に階段転がっていてすごかったです。そんな主人公を支える高峰秀子さんも最高でした。他にも通り魔で一瞬出てくるサイコなお芝居をする大地康雄さん、主人公と同じ境遇の藤田まことさんの涙もこちらも胸が熱くなりました。
臨終の間際に「仇をとってくれ」と頼まれて、最初は加害者に包丁で襲いかかろうとしたりするけど。しだいに被害者の救済ということを生きがいに緑内障で目が見えなくなっても全国を歩いて運動を展開していく。
告発ものの映画で、犯罪被害にもいろんな考え方もあると思いますが。こういう事件があったのかと知ることができる映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/12/04 DVD
リンク
監督 | 木下恵介 |
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脚本 | 砂田量爾 |
木下恵介 | |
原作 | 佐藤秀郎 |
出演 | 若山富三郎 |
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高峰秀子 | |
田中健 | |
尾藤イサオ | |
大竹しのぶ | |
藤田まこと | |
近藤正臣 | |
加藤剛 |