●こんなお話
クリスマスプレゼントでお父さんがチャイナタウンから謎の生き物買ってきて、守らなければいけない3つのルールというのがあるけど、当然それが破られて大騒ぎになる話。
●感想
チャイナタウンのとある古びた店で、発明家の父親が新しいアイデア商品を売り込もうとしていた。商談はうまくいかなかったが、店の奥にいた子どもが、不思議な生き物を父親にこっそり売ってくれる。その生き物はモグワイと呼ばれていて、可愛らしい見た目をしているが、育てるにはいくつかの重要なルールがあった。水に濡らさないこと、強い光を避けること、そして何よりも、夜中の12時以降には絶対に食べ物を与えてはいけないという決まりである。
モグワイを自宅に持ち帰った父親は、クリスマスのプレゼントとして息子に渡す。主人公はその可愛らしい姿にすっかり心を奪われ、モグワイとの生活を始める。しかしある日、友人がうっかりモグワイに水をかけてしまい、するとその体から次々と新しい個体が生まれてくる。新たに増えたモグワイたちは最初の子と違ってどこか意地悪で、いたずら好きな性格をしていた。
そのうちの一匹を学校の先生に渡して、研究対象として預けることになるが、夜中に時計を細工されてしまい、主人公はルールを破ることになる。深夜を過ぎてから餌を与えてしまったモグワイたちは繭状の姿へと変貌し、そこから誕生したのは凶暴で破壊的な存在、グレムリンだった。学校では先生が襲われてしまい、命を落とす事態に。主人公はその異変に驚きながらも、事態の収拾に動き始める。
グレムリンたちは街中に広がり、住民を襲って混乱を引き起こしていく。警察も最初は信じていなかったが、次第に事態の深刻さを理解していく。主人公は恋人と協力し、映画館に集まったグレムリンの群れを爆発させて壊滅させる計画を実行する。そして最後に残った一匹、ストライプとの対決へ。日光を浴びせることでグレムリンは消滅し、騒動はひとまずの終息を迎える。
事件の後、チャイナタウンからやってきた店の主人がモグワイを引き取りに来て、主人公と別れを告げる。
モグワイの造形がとにかく可愛らしくて、画面に映るたびに自然と笑みがこぼれてしまいました。目の動きや耳の動きなど、細かいパペットの演出が丁寧で、その存在感には惹きつけられるものがありました。とくにギズモのけなげな表情が印象に残ります。反対にグレムリンたちの動きは実にコミカルで、暴れ回る姿がどこかユーモラスで愛嬌すら感じられました。
三輪車を漕ぎながら登場するストライプなど、敵でありながら可愛らしさを残す造形も見事だったと思います。そしてこの映画で思いがけず楽しかったのは、父親が作った発明品の数々。少し古臭いけれどどこか憎めない発明が登場人物たちの日常に彩りを加えていて、そこにも本作の魅力が詰まっているように感じました。
また、お母さんが1人でキッチンでグレムリンと対峙して、フードプロセッサーやナイフなどを使って応戦するシーンは非常に見応えがありました。家庭の中で突然訪れる戦場のような空気の中で、たくましく立ち向かう姿がとても印象的でした。
後半はグレムリンたちの大暴れが本格化していき、その騒動を一緒に体験しているような楽しさがありました。ただ、ラストのストライプとの追いかけっこが少し長く感じてしまい、テンポが緩んだように思いました。
とはいえ、ギズモたちモグワイの姿を見ているだけでも十分満足できる作品で、あれほどまでに生き生きとした動きを作り出していたスタッフの技術にただただ感服しました。耳から離れないメインテーマも心地よく、見終わったあとも口ずさみたくなるような作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2016/01/25 NETFLIX 2025/01/01 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ジョー・ダンテ |
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脚本 | クリス・コロンバス |
出演 | ザック・ギャリガン |
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ホイト・アクストン | |
フランセス・L・マッケイン | |
フィービー・ケイツ | |
ポリー・ホリディ | |
スコット・ブラディ | |
グリン・ターマン | |
コリー・フェルドマン | |
ディック・ミラー |