映画【空母いぶき】感想(ネタバレ):戦後日本の平和危機と自衛隊の戦い

ibuki
スポンサーリンク

●こんなお話

 新興国なのにめちゃくちゃ武装した国家と常にニヤニヤしてる空母の艦長と仲間たちの戦いの話。

●感想

 映画は空母上の記者、送り込まれた会社の関係者、コンビニで働く人々など、さまざまな人物の視点を交えながら物語を進める構成。彼らの行動が交錯し、戦争と日常生活の距離感を描くことを意図していると思いますが、一部のシーンでは目的や意図が掴みにくく、登場人物の行動を追うのに集中力が必要になる場面も。

 戦闘シーンでは護衛艦や潜水艦、戦闘機の動きが描かれるものの、画面上では人数や規模感があまり伝わらず、個々の艦長やパイロットの表情のアップに頼る描写が目立つものでした。艦隊の迫力やドックファイトのスケール感はCGとアップ中心の構成で見せられており、臨場感という点では控えめな印象を受けます。

 主人公の艦長は物腰柔らかくニヤリとした表情が多く、内面の思惑や心理状態が掴みにくいキャラクターでした。一方で、記者やコンビニ店長など周囲の人物も行動や動機がやや理解しにくく、観客としてどう感情を乗せるかが難しい場面がありました。外交交渉や会議の描写も丁寧に描かれると思いますが、全体としてはこじんまりとした印象。

 全体を通して、戦争と平和の危機を題材にしている点や自衛隊の隊員たちの行動を描いた点は興味深く、学びの多い作品であると感じた一方で、アクション映画としての迫力やスケール感は控えめで、登場人物たちの意図や行動に焦点を当てながら観る必要がある作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2019/06/17 シネマサンシャイン平和島 2021/02/07 Netflix

監督若松節朗 
監修かわぐちかいじ 
脚本伊藤和典 
長谷川康夫 
原作かわぐちかいじ
企画福井晴敏 
音楽岩代太郎 
出演西島秀俊 
佐々木蔵之介 
本田翼 

コメント

タイトルとURLをコピーしました