映画【クロール ー凶暴領域ー】感想(ネタバレ):巨大ハリケーンとワニの恐怖を描くサバイバルスリラー

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●こんなお話

 巨大ハリケーンと人食いワニと散々な目に遭う親子の話。

●感想

 巨大ハリケーンが町を襲い、家が浸水していく中で、さらにワニ園から逃げ出したワニが人々を襲い始める。水害と獰猛な生き物という二重の危機が重なり合い、物語はサバイバルスリラーとして展開していきます。主人公は危険だから行くなと止められていたにもかかわらず、迫りくる嵐の中で父親を探しに思い出の家へと向かう。そして地下室で父親と再会するものの、水位がどんどん上昇し、脱出できるのかという緊張感に満ちた時間が始まる。

 ワニが画面いっぱいに登場してくる瞬間はインパクトがあり、主人公以外の人物があっという間に餌食になってしまう展開もスピード感がありました。父親はやけにワニに詳しく、ピンチの度にワニの生態知識を披露しながら切り抜けていく姿は頼もしさすら感じさせます。さらに娘に向かって「お前はファイターだ」と叱咤し、サバイバルに立ち向かわせる様子は軍隊式の厳しさを思わせるキャラクター像となっていました。かつて関係がうまくいかなかった父娘が、水泳を通して心を通わせていく描写もあり、対立から和解へと至る流れが盛り込まれていました。

 実際に見ていると、サバイバルとモンスターパニックの両方を盛り込みながら、90分というタイトな時間でしっかりと緊張感を維持している点はとても良かったと思います。観客がこのジャンルに期待する「水の恐怖」と「生き物の恐怖」がバランスよく組み合わされており、娯楽作品として十分楽しめる構成でした。ただし父娘が何度も噛まれて負傷しているのに、その後の展開にほとんど影響しない部分は少し大味に映りました。それでも逆にその“ご都合感”がジャンル映画らしい気楽さにもつながっていて、個人的には笑いながら観られるシーンも多くありました。特に父親が少しずつ身体を失っていく姿はシリアスさを通り越してユーモラスに感じられたのも印象的です。

☆☆☆

鑑賞日: 2019/10/18  T・ジョイPRINCE品川 2020/07/02 Amazonプライム・ビデオ

監督アレクサンドル・アジャ 
脚本マイケル・ラスムッセン 
ショーン・ラスムッセン
出演カヤ・スコデラリオ 
バリー・ペッパー 
モーフィド・クラーク 
ロス・アンダーソ 
ホセ・パルマ 

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