映画【メン・イン・ブラック】感想(ネタバレ):地球を守る極秘組織と宇宙人たちの騒動を描くSFコメディ大作

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●こんなお話

 地球に隠れて住んでる宇宙人が当たり前の世界で、宇宙人の担当とする組織の人たちの話。

●感想

 1997年のニューヨーク。メキシコ国境付近では、不法入国者に紛れて地球へ入り込もうとする宇宙人たちの監視が秘密裏に行われていた。その任務を担っていたのが、政府のどの組織にも属さない極秘機関「メン・イン・ブラック(MIB)」。黒いスーツに身を包んだエージェントたちは、人類に知られることなく地球で生活する宇宙人を管理し、トラブルを未然に防いでいた。

 一方、ニューヨーク市警の刑事ジェームズ・エドワーズは、驚異的な身体能力でビルの壁を駆け上がる不審者を追跡する。その相手は人間ではなく宇宙人だった。常識に縛られず、危険を恐れず追跡を続けたエドワーズの姿を見たベテラン捜査官Kは、彼をMIBの採用試験へ招待する。

 試験会場には軍人や科学者など優秀な人材が集まっていたが、エドワーズは常識にとらわれない発想と柔軟な判断力を評価され、唯一の合格者となる。彼は過去の経歴や個人情報を完全に抹消され、新たに「エージェントJ」というコードネームを与えられる。

 Jは相棒となったKに案内され、宇宙人たちが普通の人間として生活する世界を目の当たりにする。地下鉄の売店員、郵便局員、レストランの店員まで、その正体はさまざまな星から来た異星人たちだった。巨大な武器庫や宇宙人専用の入国管理施設、未来的な装備の数々に、Jは驚きの連続を味わう。

 その頃、ニューヨーク郊外の農場には一隻の宇宙船が墜落していた。そこへ現れた昆虫型宇宙人「バグ」は農場主エドガーを殺害し、その皮膚を剥いで自らの身体に被る。無理やり人間の皮を着込んだ影響で、エドガーの身体は不自然に歪み、ぎこちない動きと異様な喋り方を見せるようになる。

 KとJは宝石店を経営する宇宙人ミクキーの変死事件を調査する。現場には「銀河を守れ」という不可解な言葉が残されていた。さらに別の宇宙人ロゼンバーグも殺害され、その遺体を解剖していたローレル博士の前で、ロゼンバーグの頭部が開き、中から小さなアルキリアン人が姿を現す。

 瀕死のアルキリアン人は「銀河はオリオンのベルトにある」という言葉を残して死亡する。調査を進めたKは、被害者がアルキリアン王族の重要人物だったことを知る。やがてアルキリアン帝国の宇宙艦隊が地球上空へ到着し、バグが銀河を奪おうとしていると警告する。もし銀河がバグの手に渡れば宇宙戦争が勃発し、その責任として地球も消滅させられてしまうという。

 一方、エドガーに化けたバグは大量の砂糖水を飲みながらニューヨーク中を徘徊し、銀河を探し続けていた。宝石店を襲撃し、宇宙人の情報屋を脅し、行く先々で騒動を巻き起こしていく。

 Jは「オリオンのベルト」という言葉を星座のことだと思い込んでいたが、調査を進めるうちにロゼンバーグが飼っていた猫の名前がオリオンであることに気づく。そして猫の首輪につけられた小さな装飾品こそが、宇宙の均衡を左右する超小型銀河そのものだった。

 しかし、バグも同じく猫の首輪にたどり着く。バグはローレル博士を人質に取り、オリオンを連れ去ると銀河を飲み込み、宇宙船で逃亡を図る。

 1964年ニューヨーク万博跡地。二本の巨大な塔は実は人類が最初に接触したエイリアンの宇宙船だった。KとJは逃走するバグを追い詰めるが、エドガーの皮膚が破れ、中から巨大なゴキブリ型宇宙人の本来の姿が現れる。

 バグは二人を圧倒する力で追い詰めるが、Kは自ら囮となって怪物の体内へ入り込み、内部から攻撃を仕掛ける。Jも周囲のゴキブリを踏み潰して挑発しながら時間を稼ぎ、その隙にKが体内から発砲することでバグに致命傷を与える。最後はローレル博士の一撃によってバグは完全に倒され、銀河は無事アルキリアン帝国へ返還される。

 事件解決後、Kは長年離れていた恋人のもとへ戻るため、MIBを去る決意をする。Jはニューラライザーを使ってKの記憶を消去し、彼を一般人として新しい人生へ送り出す。そしてローレル博士は新たなエージェントLとしてMIBへ加入し、Jの新たな相棒となっておしまい。


 ベテラン捜査官と新人捜査官という王道のバディものの構図を使いながら、新人エージェントJの視点を通して「宇宙人が当たり前に暮らしている世界」を少しずつ見せていく作りが非常に上手い作品でした。

 地下鉄の売店員や新聞販売員、レストランの客に至るまで宇宙人が普通に生活しているという設定だけでも十分にワクワクさせられますし、そこへ次々と登場する未来的な武器や装置、宇宙人専用の入国管理施設、記憶を消去するニューラライザーなど、アイデアの詰まったガジェットが次々に飛び出してくるため、見ているだけで楽しくなってきます。

 ストーリーそのものは王道の刑事バディ映画であり、地球の危機を救うという流れも非常にわかりやすく作られています。そのため意外性や複雑な展開で勝負する作品ではありませんが、その安定感こそが本作の魅力でもありました。

 特に印象的だったのはエイリアンたちのデザインです。農場主エドガーの皮を被ったゴキブリ型宇宙人の不気味さとコミカルさが同居した姿は今見ても強烈ですし、頭の中に小さな操縦士が乗っている宇宙人や、会話するパグ犬のフランクなど、登場する宇宙人がどれも個性的でした。

 また、ウィル・スミス演じるJとトミー・リー・ジョーンズ演じるKの掛け合いも素晴らしく、軽口を叩き続ける新人と無愛想なベテランという対照的なコンビが作品全体のテンポを非常に良くしていました。シリアスになりすぎず、それでいて地球滅亡の危機というスケール感もきちんと成立しているバランス感覚は見事だったと思います。

 終盤でKが普通の人生へ戻る決断をする場面も印象に残りました。超常的な事件を日常のように解決してきた男が、最後には一人の人間として人生を取り戻していく流れにはどこか温かさがあります。

 難しいことを考えず、純粋にエンターテインメントとして楽しめるSF映画の代表作の一本でした。笑って、驚いて、少しだけ宇宙の広さに思いを巡らせることができる、今なお色褪せない名作だったと感じました。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2016/11/30 NETFLIX 2026/07/14 U-NEXT

監督バリー・ソネンフェルド 
原案エド・ソロモン 
エグゼクティブプロデューサースティーヴン・スピルバーグ
出演トミー・リー・ジョーンズ 
ウィル・スミス 
リンダ・フィオレンティーノ 
ヴィンセント・ドノフリオ 
リップ・トーン 
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