映画【貞子】感想(ネタバレ):怖さだけじゃない新感覚ホラー!YouTube時代の恐怖と感動を描く映画

sadako
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●こんなお話

 心理カウンセラーの弟さんが行方不明になって捜索するうちに、案の定、貞子にアタックされる話。

●感想

 どこかの部屋で少女が監禁されている様子から物語は始まる。少女のお母さんがガソリンのような液体をまきながら脅しているシーン。

 主人公は病院で心理カウンセラーをしていて、完治した患者が少し怖く感じられ、先輩の医師に相談する。患者の子どもたちはYouTubeをよく見ていて、弟がユーチューバーとして活動していることを知る。

 学校に通っているはずの弟は、ユーチューバーとして稼ぐために努力していて、ホラー動画が人気だと話し、応援してほしいと主人公に伝える。そこで再生数を稼ぐため、弟は心霊スポットを巡る動画を撮ることに。

 ある日、少女が保護されて病院に運ばれ、主人公が担当することになる。警察の事情聴取では、少女がサイコキネシスのような超能力を発揮したり、いじめられそうになると周囲が恐れるなど、特殊な力を持つことが示唆される。

 最初に怖く感じていた患者が襲いかかり、その時テレビから貞子が出てきて患者を襲い、主人公も気を失ってしまう。弟は行方不明になり、主人公は投稿動画を見て伊豆大島らしき場所を特定し、現地へ向かう。

 伊豆大島の洞窟は子どもが間引きされた過去があり、そこに弟がいた。少女の霊も現れ、主人公が励ますが、貞子が襲いかかり弟は水中に引きずり込まれて物語はおしまい。

 ユーチューバーが過激な動画で再生数を稼ごうとする現代的なモチーフは面白いが、ユーチューバーの描き方にはやや偏りがあり、批判を招きそうな部分もありました。ホラーとしては「貞子」というキャラクターが今やコメディ化しているため、恐怖映画として成立させるには相当工夫が必要だと再確認しました。

 中田秀夫監督の手腕を期待しましたが、作品は失望感が強く、怖い場面でも音楽や子役の演技が過剰で、逆に疲れてしまうこともありました。ストーリーは退屈で、ホラーとしても怖くなく、体感的に長く感じる約100分でした。

 貞子がどんな条件で襲ってくるのか不明瞭で、過去のような「7日後に死ぬ」などのタイムリミットもなく、ただ関わったから襲うという単純な設定。霊能者の娘も物語に深みを与えず、なぜ主人公がクライマックスで「あなたは私が守る」と言うのかも謎のままでした。

 子役たちのいかにもな演技や、少女を囲んで「名無しの権兵衛」と呼ぶ場面も見るのが辛かったです。伊豆大島の警察捜査中に突然現れて洞窟の話をする老婆の登場にも驚かされました。

 Jホラーというジャンルがもはや絶滅危惧種なのか、ホラー描写は怖くなくむしろギャグに近く。テレビから貞子が出てくるシーンやクライマックスの攻撃もどう受け止めれば良いのか難しく、終始退屈でした。名高いシリーズだけに残念な一本と言わざるを得なかったです。

鑑賞日: 2019/10/14 Blu-ray 2024/04/13 Amazonプライム・ビデオ

監督中田秀夫 
脚本杉原憲明 
原作鈴木光司
出演池田エライザ 
塚本高史 
清水尋也 
桐山漣 
ともさかりえ 
佐藤仁美 

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