●こんなお話
敗戦色濃くなってきて、戦争をどうやって終わらせるのかの上層部と戦争継続を訴える青年将校たちの苦悩の話。
●感想
どうしてもオリジナルと比べてしまいますが、いちばん長い日というよりいちばん長い半年と結構描かれる時期が長くなってしまっていますが、これはこれで面白いと思いました。鈴木貫太郎が昭和天皇から総理大臣を頼まれるところから始まり、玉音放送までを描いていきます。原田眞人監督の得意技である群像劇としても面白く見ることができました。会議のシーンとか退屈になりがちですが、これまた原田監督作品の特徴である細かいカッティングや膨大なセリフ量で引っ張っていってくれてよかったです。
役者さんもよくて、特に青年将校さんたちは難しいセリフを大声ではっきりと喋っていてよかったです。
オリジナルにはなかった鈴木貫太郎、阿南惟幾、昭和天皇の家庭人としての側面も強調されていきます。
ただやっぱり半年前から描いていくのはちょっと長くて、物語のテンポは悪いと感じました。それに後半は宮城事件がメインで描かれていきますが、そこでの畑中少佐が放送されていないとわかっていながらも国民に向けて演説するシーンなんかは感傷的すぎると思いますし。阿南大臣の次男の戦死の状況を話し始めるというのは、唐突すぎて、あそこで話し始めるのなら、もっと宮城事件と同じくらいの比重で次男の戦死について描かないといけないと思いました。それに個人的には難しいとは思いますが、昭和天皇が宮城事件についてどう思っていたのかとかも見たかったです。
そして、真夏で動き回っているはずなのに全く持って汗をかかずに綺麗な服装なのとか今の日本映画の限界なのかなとか残念に思うところも多かったです。それに日本史好きとかでなはないと、誰が誰なのか何をしているのかとか難しい映画に放っていると思います。
オリジナルには到底及ばないと思いますが、これはこれで面白い映画だとは思いました。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/08/16 チネチッタ川崎 2016/02/03 Blu-ray 2020/02/12 NETFLIX
監督 | 原田眞人 |
---|---|
脚本 | 原田眞人 |
原作 | 半藤一利 |
出演 | 役所広司 |
---|---|
本木雅弘 | |
松坂桃李 | |
堤真一 | |
山崎努 | |
蓮佛美沙子 | |
大場泰正 | |
小松和重 | |
中村育二 | |
山路和弘 | |
金内喜久夫 | |
鴨川てんし | |
久保耐吉 | |
木場勝己 | |
中嶋しゅう | |
麿赤兒 | |
戸塚祥太 | |
キムラ緑子 | |
野間口徹 | |
松山ケンイチ | |
戸田恵梨香 |
コメント