映画【ザ・プレデター】感想(ネタバレ):逃亡者と進化型が交錯する戦い

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●こんなお話

 良い地球人、悪い地球人、良いプレデター、悪いプレデターのバトルロワイヤルな話

●感想

 アメリカ陸軍の狙撃兵クイン・マッケナは任務中、突如宇宙から落下してきた宇宙船と遭遇する。内部には異星生命体プレデターが潜んでおり、仲間が次々と殺される中、クインは辛うじて生き延びる。彼はプレデターの装備であるマスクとガントレットを回収し、自宅へ送ることを決める。

 一方、政府の極秘組織スターゲイザーは墜落した宇宙船とプレデターを確保し、解析を開始する。進化生物学者ケイシー・ブラケット博士は施設に呼ばれ、プレデターの遺伝子にはすでに人間のDNAが組み込まれていると知らされる。

 クインが送った荷物は自宅に届き、息子ローリーが開ける。ローリーは発達障害を抱えているが、天才的な知性によって装備を理解し操作してしまう。やがてスターゲイザーの施設では拘束されていたプレデターが覚醒し、兵士たちを殺しながら脱走する。ケイシー博士は命からがら逃走し、プレデターが施設から持ち出された“ある物”を取り戻そうとしていると察する。

 クインは政府に拘束され、精神疾患を抱える兵士たちと同じ護送バスへ入れられる。そこで“ルーニーズ”と呼ばれる元兵士たちと出会い、彼らはクインの話を信じて行動を共にする。プレデターはローリーが発信した信号を追って街へ向かい、クインたちは息子を守るため急ぐ。

 その頃スターゲイザー責任者トレイガーは、墜落してきたプレデターは「逃亡者」であり、彼を追う巨大で強化された“アルティメット・プレデター”が地球に迫っていると明かす。アルティメット・プレデターは到着すると逃亡者を瞬時に倒し、ローリーの知能を「進化の素材」と判断してさらおうとする。

 クインと“ルーニーズ”、ケイシー博士はローリー奪還のため追跡し、森林地帯で激しい戦闘に突入する。仲間たちは次々と倒れていき、クインはアルティメット・プレデターの宇宙船へ乗り込んで装置を破壊し脱出する。アルティメット・プレデターの乗った宇宙船は墜落し、クインがとどめを刺す。

 事件後、ローリーはスターゲイザーに協力する科学者として活動を始め、クインは政府から感謝を受ける。最後に、逃亡者プレデターが残した「警告の品」が起動し、対プレデター用パワードスーツ“プレデター・キラー”の姿が現れる。クインは「俺のスーツだ」と言い、物語はおしまい。


 シェーン・ブラック監督らしい、80年代のアクション映画を思わせるテンポと、人があっという間に倒れていく軽快な残酷さの混じり方がまず印象的でした。キャラクター同士が軽口を交わしながら進む雰囲気も独特で、序盤の宇宙船同士のドッグファイトからメキシコへの墜落へと続く勢いに、懐かしさと鮮やかさを感じました。

 主人公が偶然プレデターの装備を手に入れ、そのまま自宅に郵送し、息子が天才的な理解力で使いこなしてしまう展開はユニークで、物語の入り口としては興味深い流れだったと思います。ただ、全体の尺に対して登場人物の思惑が複雑に絡み合い、地球側の対立や行動の動機が整理される前に次の展開へ進んでしまう印象があり、物語の輪郭がやや掴みにくかったように感じました。

 問題児揃いの軍人たち“ルーニーズ”の軽妙な会話も面白さがある一方、キャラクターの深まりが薄く、彼らが倒れていく場面でも強い感情が湧きにくかったのが個人的には残念でした。また、研究所の警備体制の緩さや、主人公が高度な異星技術をほぼ戸惑いなく受け入れてしまうなど、物語に入り込む前に気になる点が散見されました。

 アクションは暗い場面が多く、戦闘の位置関係がつかみにくいシーンもあって、銃声だけが響いていく印象が残りました。プレデターの武器や技術がこのシリーズの魅力の一つであるだけに、もう少し活かしてほしい気持ちもありました。

 プレデター同士の争いや新設定は大胆でしたが、逃亡者がなぜ最初に人間を攻撃したのか、大型プレデターのデザインが特徴を発揮しきれていないことなど、深掘りがあればより魅力的になったように思います。終盤の共闘展開も唐突で、敵対していたキャラクターたちの心情の流れがつかみにくく、感情移入の足場が見つかりにくかったです。

 翻訳機による会話や遺伝子進化の設定など新要素は興味深い部分もありましたが、全体としてキャラクターの動機が薄く見えてしまい、作品の盛り上がりにもう一歩届かない印象を受けました。エンタメとしての勢いはあるものの、積み重ねの部分でもう少し観客を惹きつける工夫があれば、より楽しめる作品になったと感じます。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/09/18 チネチッタ川崎 2019/03/08 Blu-ray 2021/11/30 Disney+ 2025/11/29 Amazonプライム・ビデオ

監督シェーン・ブラック 
脚本シェーン・ブラック 
フレッド・デッカー 
出演ボイド・ホルブルック 
トレヴァンテ・ローズ 
オリヴィア・マン 
トーマス・ジェーン 
キーガン=マイケル・キー 
ジェイコブ・トレンブレイ 

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