映画【子猫をお願い】感想(ネタバレ):ペ・ドゥナ主演で描く友情と自立

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●こんなお話

 高校の仲良し5人組が社会に出て、しだいにバラバラになりながらも仲良く過ごしたりする話。

●感想

 テヒ、ヘジュ、ジヨン、そして双子のピリュとオンジョの5人は、高校卒業を機にそれぞれ異なる生活を始める。ヘジュはソウルの証券会社に就職し、都市部で会社員として働き始めるが、任される仕事は雑務が中心で、職場では下働きの立場に置かれている。ジヨンは祖父母と暮らしながら就職先が決まらず、自宅で過ごす時間が増えていく。ピリュとオンジョは露店でアクセサリーを販売し、生計を立てながら将来について話し合いを続けている。テヒは定職に就かず、アルバイトやボランティア活動をしながら日々を過ごしている。

 ある日、ジヨンは道端で子猫を拾い、「ティティ」と名付ける。誕生日の集まりをきっかけに、ティティは5人の間を行き来する存在となり、それぞれの家で順番に世話をされることになる。生活環境や収入の違いから、猫を飼い続けることは容易ではなく、ティティの預け先は状況に応じて変わっていく。その後、ヘジュは仕事を優先するようになり、他の4人と顔を合わせる機会が減少する。

 ジヨンは家族との関係や生活環境の問題を抱え、精神的に不安定になっていく。ピリュとオンジョは露店商いを続けながらも、将来に対する具体的な展望を見いだせずにいる。テヒはボランティア先で脳性まひの詩人と知り合い、手紙の代筆などを通じて交流を深めていく。5人は連絡を取り合い、時折集まるものの、生活の違いから同じ時間を共有することは次第に少なくなっていく。

 やがてジヨンの家が倒壊して祖父母が死亡。ティティの世話を続けることが難しくなり、最終的にティティはテヒのもとで飼われることになる。物語の終盤では、5人がそれぞれ異なる場所と状況で生活を続けている様子が描かれ、高校時代のように常に一緒にいる関係ではなくなりながらも、それぞれが自分の道を歩いていることが示されておしまい。


 5人の仲の良い女の子のうち、安定した就職を果たしているのは1人だけで、残りの4人は社会に踏み出そうとしながらも、なかなかうまくいかない状況に置かれています。就職したヘジュもまた、職場ではお茶くみやコピーといった雑務を任される立場で、韓国の学歴社会や就職事情の厳しさが伝わってきます。

 誕生日パーティーの場面では、経済的に余裕のないジヨンがプレゼントを買えず、拾った子猫を贈ることになりますが、結果的に誰も責任を持って飼えず、子猫を預け合いながら日常が描かれていきます。この子猫の存在が、5人それぞれの生活事情を浮き彫りにする装置として機能している点が印象的でした。

 少女たちが大人になり、時間の経過とともに距離が生まれることで、得られるものと同時に失われていくものがあることを、淡々と見せてくれます。登場人物たちは全員インチョン出身で、ヘジュだけがソウルで働いているという設定ですが、韓国の都市と地方の距離感に馴染みがないと、その差がやや掴みにくい部分もあります。

 韓国社会の問題を背景にしつつ、主人公たちの葛藤を静かに描き、観客に行間を読ませる作風ですが、この内容で110分という上映時間は少し長く感じられました。基本的には、彼女たちが仲良く過ごしたり、気まずくなったりする様子を外側から眺め続ける構成のため、退屈に感じる人もいると思います。それでも、ペ・ドゥナの存在感と若々しい佇まいは強く印象に残り、彼女を観るだけでも価値のある作品だと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2014/12/12 DVD 2026/01/28 U-NEXT

監督チョン・ジェウン 
脚本チョン・ジェウン 
出演ペ・ドゥナ 
イ・ヨウォン 
オク・ジヨン 
イ・ウンシル 
イ・ウンジュ 
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