●こんなお話
祖母の時代から死神が追いかけてきて大学生たちがサバイブする話。
●感想
1968年、若き日のアイリス・キャンベルは恋人ポールとともに、高層タワー「スカイビュー」の展望レストランを訪れる。ガラス張りの床の上でポールは指輪を差し出し、華やかな音楽と歓声に包まれながらプロポーズを行う。しかしその直後、厨房での小さな火花、給仕係が落としたワインボトル、エレベーターの誤作動といった些細な偶発事故が連鎖し、床を支える構造材に想定外の負荷がかかる。やがてガラス床が大きく亀裂を走らせ、轟音とともに崩落。アイリスとポールを含む多くの客が地上へと転落し、即死する。
数十年後、大学生のステファニー・レイエスは、見たこともないはずのその事故の夢に繰り返しうなされている。崩れ落ちるガラス、悲鳴、砕ける骨の音。夢の中で彼女は、まるで自分がその場にいたかのような臨場感を味わい、最後には必ず自分も落下して目を覚ます。胸の鼓動が収まらないまま、彼女はこの悪夢が単なる想像ではないと確信する。
調べを進めたステファニーは、自分の祖母があの事故の犠牲者アイリスであること、そして事故で本来命を落とすはずだった人々の血縁に不可解な死亡例が相次いでいることを知る。家族から変人として忌避されている祖母に会いに行き、新聞の切り抜きや事故記事を大量に収集し、家系図に細かく書き込みを残していた。そこには「順番が狂った」「死は取り戻しに来る」と死神から逃れていることを話す。
ステファニーは弟チャーリー、従兄弟のジュリア、ボビー、エリックらと協力し、当時の事故関係者の子孫を調査する。すると、交通事故での圧死、工事現場での資材落下、病院のMRI装置に金属が引き寄せられて身体ごと吸い込まれる事故、草刈り機の刃が跳ね上がる惨事など、日常の延長線上にある物が引き金となる連鎖死が浮かび上がる。偶然に見える出来事は、必ず次の死へと繋がる導線を持っている。
ステファニーは、最初のスカイビュー事故で本来死ぬはずだった者が生き延びたことで“順番”がずれ、その歪みが血縁へと波及していると結論づける。死は設計図どおりに命を回収しようとしている。
逃れるため、彼女は祖母の家に家族で立て籠もることを提案する。外界との接触を断ち、危険物を排除し、死の連鎖を断ち切ろうとする。しかし、ガス漏れと電気系統のショートが重なり、家は大爆発。母親は炎に包まれて命を落とす。混乱の中でステファニーは水路に投げ出され、溺れて一度は意識を失う。チャーリーが必死に救命措置を施し、彼女は息を吹き返す。
一度死んで蘇生すれば順番は変わるという仮説に希望を見出すが、直後に心停止は確認されていなかったと告げられる。つまり死の順番は変わっていない。その瞬間、背後を走る列車が脱線し、爆発とともに鉄片が飛び散る。目の前で新たな惨劇が始まり、死の設計図が続いていることを突きつけられる。血縁からは逃れられないという事実を残しておしまい。
本作はシリーズの醍醐味である“豪快な死にざま”が存分に堪能できる一作でした。冒頭のスカイビュー崩落事故から一気に心を掴まれます。ガラス床が軋み、細かなトラブルが雪崩のように拡大していく演出は見事で、シリーズの原点回帰と進化を同時に感じました。
ゴミ収集車に身体を挟まれる場面や、MRI装置の強烈な磁力に金属ごと吸い寄せられる描写など、アイデアの豊富さには思わず頬が緩みます。日常に潜む危険を極端なまでに増幅させる手腕は健在で、観客に「次は何が起こるのか」と身構えさせ続けます。
単なるショック描写に終わらず、血縁というテーマを軸に据えたことで物語に奥行きが生まれていました。死の順番というシリーズ特有のルールを再構築し、家族の絆と恐怖を絡めた構成は巧みです。
シリーズの中でも完成度は高く、過去作を愛する観客にも新鮮な驚きを与える仕上がりだと感じました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2026/02/24 U-NEXT
| 監督 | アダム・スタイン |
|---|---|
| ザック・リポフスキー | |
| 脚本 | ガイ・ビュシック |
| ロリ・エバンス・テイラー | |
| 原案 | ジョン・ワッツ |
| ガイ・ビュシック | |
| ロリ・エバンス・テイラー |
| 出演 | ケイトリン・サンタ・フアナ |
|---|---|
| テオ・ブリオネス | |
| リチャード・ハーモン | |
| オーウェン・パトリック・ジョイナー | |
| アンナ・ロア | |
| ブレック・バッシンジャー | |
| トニー・トッド |

