映画【リベンジ・ガンショット 非情の追跡者】感想(ネタバレ):非情な復讐劇と銃撃アクション

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●こんなお話

 娘が売春婦として売られたので探す父親の話。

●感想

 1880年代のアメリカ西部。かつて名うての早撃ちとして知られたクレイ・トラヴィスは、銃を置き、牧場で家族と静かな日々を送っていた。妻アミリアと息子、娘リリーと共に、慎ましい生活を続けていたが、その平穏は唐突に破られる。息子が蛇に噛まれて亡くなり、家族は深い喪失感に包まれる。悲しみのなかで気持ちの行き場を失ったリリーは母と言い争いを起こし、そのまま姿を消す。

 クレイが町の人々から話を聞くと、リリーが粗暴な男に連れられているのを見た者がいた。女を売買する連中の手に渡った可能性があると知り、クレイは牧場を離れる決意を固める。古い友人ビリーの協力を頼み、馬を駆り、ウィチタ、さらにドッジシティへ向かう旅が始まる。道中には娼館や酒場、ギャンブル場が立ち並び、荒んだ空気が広がる町が続く。リリーの痕跡を追ううちに、裏社会に巣食う面々の名が浮かび上がり、クレイは彼らと衝突を繰り返す。

 リリーは悪名高い娼館の経営者に売られたと判明し、そこへ至るまでにクレイの前に立ちはだかるのは、用心棒や情け容赦のない荒くれたちだった。かつての腕は衰えておらず、銃も拳も使いこなしながら進んでいくが、旅の途中でDV気質の男とその娘に捕らえられ、思わぬ足止めを食らう。しかし隙を突いて男を倒し、娘を解放して再び走り出す。

 やがてクレイは娼館の内部に潜り込み、客を装ってリリーと対面する。娘を連れて逃げ出すが、その途中で撃たれ、捕まって拷問を受けることになる。かろうじて脱出し、助けた娘の家に戻ると、彼女は襲われ息絶えており、クレイは襲撃者の命を奪う。怒りを抱えたまま娼館へ乗り込み、経営者たちを倒してリリーを奪い返す。長い追跡と戦いを経て、クレイは娘を連れ、ようやく牧場へ戻っておしまい。


 渋さのある正統派の西部劇で、画面にも役者の佇まいにも落ち着きがあり、安っぽさがない雰囲気が好ましく感じました。キャスト陣の存在感が強く、それぞれが荒野の乾いた空気に馴染んでいて、古い西部劇の香りを現代的にまとめたような仕上がりになっていたと思います。

 一方で、物語のテンポはかなりゆったりとしていて、追跡劇が連続する割には歩みが重く感じられる場面がありました。とくに道中でDV男とその娘の家に捕まってしまうくだりは、本筋から外れた寄り道として映り、物語の流れを少し止めているようにも思えました。

 主人公クレイの強さの描き方にも揺れが見られ、激しい殴り合いの末に勝利したかと思えば次の場面では苦戦し、また逃げては反撃する展開が何度か繰り返されるため、物語としてのリズムが一定にならない印象も受けました。捕まって隙をついて脱出するという流れが積み重なることで、緊張感はあるものの、少し単調さも生まれていたように思います。

 ただ、西部劇としての佇まいはしっかりと守られており、荒野を行く父親の執念、娘を思う気持ち、そして乾いた土地に生きる人々の空気が丁寧に描かれていて、静かな余韻を残す作品でした。

☆☆

鑑賞日:2025/12/05 U-NEXT

監督ティモシー・ウッドワード・Jr. 
脚本マーク・エスリンガー 
出演マイケル・パレ 
クリス・クリストファーソン 
トレイス・アドキンス 
トム・サイズモア 
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