映画【ウォーフェア 戦地最前線】感想(ネタバレ):極限戦闘の一日を追体験する戦争映画

Warfare
スポンサーリンク

●こんなお話

 イラク戦争のとき、敵の襲撃を受けて脱出する話。

●感想

 2006年、イラク戦争下の激戦地ラマディを舞台に、米軍特殊部隊ネイビーシールズの小隊が夜間任務に投入されるところから物語は始まる。
 彼らの任務は市街地に潜伏し、反政府武装勢力の動向を監視しながら、別部隊の作戦を支援するというものだった。

 小隊は住宅街にある二階建ての民家を制圧し、そこを即席の拠点として使用する。壁に穴を開けてスナイパー用の射線を確保し、屋内では無線連絡と監視が続けられる。静寂の中で、兵士たちは長時間同じ姿勢を保ち、わずかな物音や外の気配に神経を研ぎ澄ませていく。

しかし、任務は突如として破綻する。周囲に潜んでいた敵勢力が動き出し、手榴弾による攻撃が建物を直撃し、隊員のエリオットが重傷を負う。これをきっかけに、部隊は完全に包囲され、市街地全体が戦場と化していく。

 通信兵のメンドーサや指揮官のエリックは無線を通じて支援を要請し、味方部隊や航空支援との連携を図るが、敵の数や位置は把握できず、銃撃は断続的に続く。負傷者を抱えながらの防衛戦は過酷を極め、撤退の判断も容易ではない。

 やがて救援部隊が到着し、ブラッドレー歩兵戦闘車による脱出作戦が実行される。銃弾が飛び交う中で生存者は車両に乗り込み、辛うじて戦場を離脱することに成功する。映像はフィクションとしての余韻を残すことなく、実在のシールズ隊員や実際の戦闘写真を背景にしたクレジットへと移行し、この出来事が現実に起きた一日の断片であることを静かに示しておしまい。


 戦闘が始まるまでの描写が非常に印象的でした。無線での細かな報告や、狙撃手が同じ姿勢のままスコープを覗き続ける待機時間が長く描かれ、戦場に漂う緊張感がじわじわと伝わってきます。犬の鳴き声や周囲のわずかな異変をきっかけに警戒レベルが上がる流れも、とても効果的でした。

 戦闘が始まってからは、敵の姿がほとんど見えないまま銃撃だけが続き、弾が当たっているのかどうかも判然としない描写が続きます。この見えなさが、戦場の混乱と恐怖を強く感じさせる演出になっていたと思います。通訳や現地協力者への扱いが決して美化されず、米軍側の身勝手さがそのまま映し出されている点も印象に残りました。

 低空飛行による威嚇を行う戦闘機のシーンなど、現代戦ならではの描写も興味深く、音と振動で制圧する感覚がよく伝わってきます。一方で、人物ドラマや感情的な盛り上がりを意図的に排しているため、純粋に軍事行動の再現に関心がある方には強く刺さる内容だと思いますが、物語性を期待すると途中で集中力が途切れやすい作りでもありました。

☆☆☆

鑑賞日:2026/01/18 イオンシネマ座間

監督アレックス・ガーランド 
レイ・メンドーサ 
脚本アレックス・ガーランド 
レイ・メンドーサ 
出演ディファラオ・ウン=ア=タイ 
ウィル・ポールター 
ジョセフ・クイン 
コズモ・ジャーヴィス 
チャールズ・メルトン 
タイトルとURLをコピーしました