映画【アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方】感想(ネタバレ):勝つためには手段を選ばない!

The Apprentice
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●こんなお話

 ドナルド・トランプが弁護士に育てられてニューヨークで成り上がっていく話。

●感想

 物語は、主人公の父親が経営する不動産会社が政府から訴えられて苦境に立たされるところから始まる。そんな中、主人公はあるパーティーで出会った弁護士ロイ・コーンに気に入られ、彼から“勝つための戦い方”を教え込まれる。ロイは検事の弱みを握って脅迫し、敗北が予想されていた裁判を勝利に導く。

 その成功をきっかけに、主人公は自らの夢であるタワーの建設に向けて動き出す。投資家たちは最初こそ懐疑的だったが、市の税金免除策をぶち上げることで世論を味方につけ、反対派には脅しを仕掛けてねじ伏せるなど、強引さと勢いでプロジェクトを推進していく。

 モデルの女性と出会って一目惚れし、結婚を申し込む。妻となった彼女はビジネスパートナーとしても活躍し、主人公の野心を後押ししていく。一方で、兄は落ちぶれていき、主人公を訪ねてくるが、2人の距離は縮まらない。

 ロイ・コーンのパートナーがエイズにかかり、彼を助けてほしいと頼まれるも、主人公は関心を示さず、ロイと衝突。ロイ自身も病気でエイズではないかという疑いがかかる。主人公は久々にロイに連絡し、誕生日パーティーを開くが、贈ったプレゼントが偽物のダイヤモンドだったことが判明したり。

 やがてロイ・コーンが亡くなり、物語は主人公が取材を受け、自らの勝利の哲学を語るシーンでおしまい。

 物語は、法廷での敗北寸前から逆転勝利するという不動産業界の一戦を皮切りに、成り上がりの道を突き進む主人公の姿を描いています。違法すれすれの手法で成功を積み重ね、時に人間関係を犠牲にしてでも前に進む主人公の姿は、まさに“アメリカン・ドリーム”の光と影。 

 個人的には、主人公トランプよりもロイ・コーンの豪快なキャラクターに強く惹かれました。彼が登場する場面はどれもインパクトがあり、作品に独特の緊張感を与えていたと思います。ただ、中盤以降は主人公自身が中心となる展開になり、少しありがちな成り上がりものの印象が強くなってしまい、やや平板に感じたのも事実。

 とはいえ、大統領の原点をこうして映像化できるアメリカ映画の懐の深さには感心させられました。野望と強引さを武器に突き進んだ男の物語として、見応えある一作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2025/06/07 Amazonプライム・ビデオ

監督アリ・アッバシ 
脚本ガブリエル・シャーマン 
出演セバスチャン・スタン 
ジェレミー・ストロング 
マリア・バカローヴァ 
マーティン・ドノヴァン 
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