映画【ミス・シャンプー】感想(ネタバレ): ヘンテコ髪型と熱い恋、美容師とヤクザの純愛ストーリー

Miss Shampoo
スポンサーリンク

●こんなお話

 美容師とヤクザの恋愛の話。

●感想

 ある嵐の夜、台湾の小さな町にあるヘアサロンで、見習い美容師のフェンはひとり残ってシャンプーの練習に励んでいた。そこへ全身血だらけのヤクザの舎弟タイが突然逃げ込んでくる。

タイは組織の抗争に巻き込まれ、正体不明の刺客たちに追われていた。事情も分からぬまま、フェンは恐怖を押し殺し、とっさの判断でタイを店の奥にかくまい、間一髪で刺客たちをやり過ごすことに成功する。

 その後、タイは一命を取り留めるが、彼が仕えていた組のボスであるシンは暗殺されてしまう。組織は後継者問題で揺れ動き、長老たちは抗争を生き延びたタイを次期ボスとして認める。

 命を救われた恩を返すため、回復したタイは舎弟のアシナガ、フィッシー、ブライアンを引き連れ、フェンのサロンを訪れる。客として髪を切ってもらうものの、修行中のフェンの腕前はまだ拙く、出来上がった奇抜な髪型は仲間内で大爆笑を呼ぶ。

 しかし、その物怖じしない態度と飾らない性格に、タイは強く惹かれていく。彼はフェンに会う口実を作るため、何度もサロンに通い、舎弟たちにも半ば強引に散髪をさせるようになる。

 一方、組織内では刺客を送り込んだ黒幕探しが続き、アシナガは独自に調査を進めるが、恋愛に夢中なタイの姿に複雑な思いを抱く。そんな中、タイは偶然、フェンの恋人が浮気している現場を目撃し、彼女を傷つけないため裏で手を回して別れさせる。

 フェンは失恋の痛みを抱えながらも、タイの誠実な態度に支えられ、やがて家族の了承を得て正式に交際を始める。二人は穏やかで幸せな日々を過ごすが、フェンが憧れていたプロ野球選手チェンが、タイ主催の派手なパーティーに呼ばれていることを知り、彼の世界との距離を実感して戸惑いを覚える。

 その後、チェン本人がフェンの前に現れ、タイが高校時代、仲間を守るため不正に抗い、野球の道を断たれた過去を語る。フェンはタイの不器用な優しさと覚悟を理解し、再び想いを深める。

 やがて組織内の調査により、抗争の黒幕が同じ組の権力者チュアンであることが判明する。タイはアシナガに後を託して組織から離れる決意を固めるが、その矢先、浴場で刺客に襲われ重傷を負ってしまう。

 連絡が取れなくなったタイを案じ、フェンは不安な日々を過ごす。チュアンの裏切りが明らかになると、フォーアイがタイを始末しようとするが、アシナガの連絡で舎弟たちが駆けつけ、間一髪で救出される。

 致命傷を負いながらも、タイは病院へは向かわずフェンのサロンへ向かい、舎弟トンの助けを借りてチュアンに決着をつける。フェンの無事を確かめたタイは静かに意識を失う。

 エンドクレジット後、奇跡的に回復したタイが再びサロンに現れ、フェンを強く抱きしめ、互いの気持ちを確かめ合い、物語はおしまい。


 美容師として地道に努力する日常と、突然入り込んでくるヤクザ社会の暴力性が、軽やかに同居している点がとても印象的でした。このギャップ自体が、本作ならではの魅力だと感じます。

 前半は下ネタや誇張された演出も多く、好みが分かれそうですが、奇抜な髪型にされても文句を言わないヤクザたちの姿には思わず笑ってしまいました。特に美容室が次第に“ヤクザ御用達”になっていく流れは、コメディとして非常に分かりやすく楽しい部分です。

 恋愛面では、強引さの中に不器用な優しさがにじむタイの行動が印象的で、フェンが少しずつ心を開いていく過程も丁寧に描かれていました。家族への挨拶や食卓の場面など、静かなシーンがしっかり効いている点も好印象です。

 後半に進むにつれてコメディ色が抑えられ、男同士の絆や覚悟、そして純粋な恋心が前面に出てくる構成は、ギデンズ・コー監督らしい緩急の付け方だと感じました。荒唐無稽な設定でありながら、人を想う気持ちの真っ直ぐさが最後まで貫かれており、独特な余韻を残す一本です。

☆☆☆

鑑賞日:2024/07/04 NETFLIX 2025/12/30 NETFLIX

監督ギデンズ・コー
出演ダニエル・ホン
ビビアン・ソン
クー・チェンドン
タイトルとURLをコピーしました