映画【デュアル】感想(ネタバレ):クローンと決闘する世界で生きる意味を問うダークSF

DUAL
スポンサーリンク

●こんなお話

 自分のクローンを作って自分の亡きあとに残せるというサービスを使うけど、問題がいろいろ起こる話。

●感想

 競技場のような場所で、2人の男がボウガンを使って命がけの戦いを繰り広げる。1人が相手を倒して勝利し、どうやらそれが「オリジナル」と「ダブル(クローン)」による決闘であることが明かされます。

 物語は、主人公が恋人とビデオ通話で会話している場面から始まり、どこか関係がうまくいっていない様子。やがてベッドで目を覚ました主人公は、自分が血まみれであることに気づき、病院へ向かい。そこでも体調は悪化し、吐き気を催す。診察の結果、医者からは「98%の確率で死ぬ」と突きつけられ、あっさりと例外ではないと告げられます。残される人々の悲しみを和らげる目的で、「クローンを作っておく」というサービスを提案され、その会社を訪れてクローンの作成を決意。

 やがてクローンが完成し、主人公は彼を家に連れて帰る。生活は奇妙に続いていき、10か月が経過。次第に、恋人はオリジナルである主人公よりもクローンのほうに惹かれていき、2人の関係は深まっていく。一方、主人公は医者から「病気が治った」と告げられ、クローンの廃棄手続きに進もうとするが、クローンから「拒否」の意志が届く。法律上、クローンとオリジナルは同時に存在できないルールとなっており、最終的に“決闘”でどちらが生き残るかを決める制度に突入。

 決闘に勝つため、主人公は戦闘のトレーナーを雇って訓練を開始します。戦術練習のはずが、トレーナーと一緒にスローで動いたり、ダンスを教えたりと、奇妙で意味の読み取りにくいシーンが続いて。そして、決闘は天候悪化のため1か月延期に。その間、主人公は「決闘で生き残った人たちの会」に出席し、さらにはクローン本人と再会。お互いに状況のばかばかしさを感じ、2人で逃亡することを決意します。

 森を抜け、車でどこかへ向かう2人。しかし、決闘当日には決闘場に1人の男が現れ、自分が勝者だと名乗る。周囲からは「オリジナル」として認められておしまい。

 単なるバトルや決闘を描いた作品かと思いきや、実際にはアート的要素が濃く、淡々とした演出と奇妙なテンポの展開が続いていきました。戦闘トレーニングも一般的な激しい訓練ではなく、スローな動きや身体のリズムに注目した練習など、何を見せられているのか戸惑う場面が多かったです。

 90分ほどの作品で決して長くはないですが、決闘が延期になった辺りから徐々に集中力が途切れ、物語への興味が薄れてしまいました。期待していた展開とは違ったものの、全体としては独特な世界観に浸る体験型の作品だと思いました。

☆☆

鑑賞日:2024/06/16 Hulu

監督ライリー・ステアンズ 
脚本ライリー・ステアンズ 
出演カレン・ギラン 
アーロン・ポール 
ビューラ・コアレ 
テオ・ジェームズ 
タイトルとURLをコピーしました