映画【スティルウォーター】感想(ネタバレ):冤罪の娘を救う父親の執念と家族の絆を描く

STILLWATER
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●こんなお話

 娘が殺人の容疑で捕まったので無実を信じて独自に捜査するお父さんの話。

●感想

 竜巻で壊れた街の復旧作業に携わる主人公は、肉体労働に汗を流しながら暮らしている。そんな彼にはマルセイユの刑務所に収監されている娘がいて、殺人の容疑をかけられている。ある日、娘から預かった手紙を弁護士に届けに行くが、「もう諦めた方がいい」と突き放され、まともに取り合ってもらえない。

 それでも娘の希望を絶やしたくない一心で、他の弁護士にも会いに行くが、誰からも相手にされず、ついには自分自身で真相を探り始める。だがフランス語がまったく話せない主人公は、言葉の壁に苦しむ。そんなとき、たまたま隣の部屋に住む女性が助けてくれることになり、電話を代わってもらったり、一緒に調査を手伝ってもらうようになる。

 やがて事件の鍵を握ると思われる男にたどり着くが、逆に暴力を受けて逃げられてしまう。その後、娘に自分で勝手に捜査していたことがバレてしまい、怒りを買う。

 4ヶ月後、主人公はマルセイユに残って労働を続け、協力してくれた女性とその娘と共に生活している。娘の送り迎えをしたり、少しずつ家族のような時間を過ごす中で、サッカーの試合に出かけた際、偶然にも再び容疑者を発見。あとをつけて拉致し、地下室に監禁して真実を問いただす。容疑者の髪の毛をDNA鑑定に出し、結果を待つことに。

 やがて警察が家にやってきて地下室を調べるが、容疑者はすでに逃げ出していた。娘も事情を聞かれるが、知らないと嘘をつき、警察は帰っていく。しかし、女性は自分の娘を危険にさらしていたことを理由に主人公を追い出してしまう。

 最終的にDNA鑑定の結果、容疑者が真犯人であることが判明し、娘は無事に釈放されて故郷へ戻る。容疑者は「娘に頼まれてやった。ネックレスをもらった」と語り、そのネックレスが、かつて主人公が娘に贈ったものだと判明。娘は真実を語りながら涙を流し、謝罪しておしまい。

 事件の捜査が一時ストップした後は、協力者の女性親子との穏やかな日常が続き、「これは何を見せられているのか」と思うような流れに。正直、展開に集中するのが難しい場面もありました。事件が再び動き出すきっかけが、偶然サッカースタジアムで容疑者を見つけるという展開なのも、やや強引に感じてしまいました。

 とはいえ、俳優たちの真摯な演技や、アメリカとフランスの文化や価値観の違いが繊細に描かれていて、そうした部分には見応えがありました。

☆☆

鑑賞日:2023/10/15 U-NEXT

監督トム・マッカーシー 
脚本トム・マッカーシー 
マーカス・ヒンチー 
トーマス・ビデガン 
ノエ・ドブレ 
出演マット・デイモン 
アビゲイル・ブレスリン 
カミーユ・コッタン 
リル・シャウバウ 
イディル・アズーリ 
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