映画【貞子vs伽椰子】感想(ネタバレ):二大怨霊が激突する恐怖映画

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●こんなお話

 呪いのビデオを見て貞子に呪われた主人公が呪いを解くために伽椰子の呪いももらって、2大幽霊を戦わせる話。 

●感想

 女子大生の倉橋有里は、親友の夏美から「両親の結婚式のビデオをダビングしたい」と頼まれる。二人はビデオデッキを持っていなかったため、リサイクルショップで古いビデオデッキを購入し、自宅へ持ち帰る。

 しかしデッキの中には一本のビデオテープが入っていた。興味本位で再生して画面を見ていた夏美は強い寒気を感じ、その直後にスマートフォンへ着信が入る。電話の向こうからは言葉ではない機械音のような音だけが聞こえる。

 やがて二人は、そのビデオが「見た者は二日後に死ぬ」という呪いのビデオである可能性に気づく。

 翌日、有里と夏美はビデオデッキを購入したリサイクルショップを訪れる。店員から「以前アルバイトの若者が同じテープを見て、その後に自殺した」という話を聞かされる。恐怖に追い詰められた夏美は、有里とともに大学教授で都市伝説研究家の森繁に相談する。

 森繁は霊媒師を呼び、夏美に取り憑いた呪いを祓う除霊を試みる。ところが儀式の最中。霊媒師や助手、そして森繁は次々と異様な死に方をしてしまい、除霊は完全に失敗する。

 夏美を助けるため、有里は「呪いのビデオは他人に見せることで呪いが移る」という噂を思い出す。そして自分がビデオを見ることで呪いを引き受けようと決意する。

 一方その頃、別の場所では女子高生の高木鈴花が両親とともに新しい家へ引っ越してくる。家の向かいには長い間空き家になっている古い住宅があり、近所では「入った者が行方不明になる家」と噂されていた。

 鈴花は夜、自宅の窓からその家を見ていると、行方不明になったはずの少年が窓の奥に立っている姿を目撃する。さらに近所では小学生の失踪事件も起きていた。不審に思った鈴花は空き家へ入り込む。

 家の中で鈴花は白い顔の少年・俊雄と出会う。直後、家の奥から四つん這いで這い出してくる女の霊・伽椰子が現れる。伽椰子は鈴花と両親を襲い、両親は命を落とす。鈴花は呪いに巻き込まれ、呪われた家に取り込まれた存在となる。

 夏美を救う方法を探す有里の前に、霊能者の常盤経蔵と、強い霊感を持つ盲目の少女・珠緒が現れる。経蔵は呪いのビデオと呪いの家を調べ、どちらも非常に強い怨霊によって生まれた呪いだと見抜く。

 そして彼は、貞子と伽椰子という二つの強力な怨霊をぶつけ、互いに戦わせることで消滅させるという計画だった。

 経蔵はその計画を実行するため、有里と鈴花を利用する。呪いのビデオを呪いの家の中で再生し、貞子を呼び出して伽椰子と対峙させるという方法である。

 夜、有里・鈴花・経蔵・珠緒の四人は呪いの家へ向かう。室内でビデオが再生され、不気味な映像が流れ始める。

 やがてテレビ画面から貞子がゆっくりと這い出してくる。同時に階段の上から伽椰子が独特のうめき声を上げながら現れ、家の中に二つの怨霊が同時に存在する状況になる。

 貞子は長い髪で伽椰子を締め上げ、伽椰子は床や壁を這いながら襲いかかる。二体の怨霊は家の中で激しく衝突する。しかし戦いの結果、貞子と伽椰子の呪いは互いを消し合うどころか、逆に融合してしまう。長い黒髪と白いワンピースの姿を持ち、声は伽椰子のうめき声のように歪んだ新たな怪異が誕生。二つの怨念が混ざり合った存在が生まれておしまい。


 貞子と伽椰子という日本ホラーを代表するキャラクターが同じ映画に登場する設定で、意外なほど正攻法のホラー映画として作られていたのが印象的でした。

 有名キャラクター同士のクロスオーバー作品は、どうしてもパロディ寄りの演出になりがちですが、本作はきちんとお化け屋敷映画として恐怖を積み重ねていく作りになっています。驚かせるタイミングや静かな不気味さの演出も丁寧で、ホラーとしてしっかり成立している点は素直に良かったと感じました。

 物語の中心になるのは貞子の呪いで、呪いのビデオを見てしまった夏美を救うために奔走する展開がしばらく続きます。ただシリーズを見ている観客向けの要素が多く、序盤から中盤にかけては少しテンポがゆっくりしている印象も受けました。

 幽霊が突然襲いかかる瞬間よりも、呪いがいつ発動するのかを待つ時間が長いため、どうしても展開が停滞しているように感じる部分もありました。

 物語が大きく動き始めるのは、常盤経蔵と珠緒という霊能者コンビが登場してからです。ここから「呪いをどう解決するのか」という具体的な方向性が示され、ストーリーが一気に転がり始めます。

 とはいえ、かつての「リング」にあった湿った恐怖や、「呪怨」に見られた連続的な恐怖シーンの圧力はやや控えめで、シリーズの空気感とは少し違う印象もありました。

 最大の見どころである貞子と伽椰子の対決も、クライマックスまでかなり引っ張られます。ようやく始まった戦いも暗い画面の中で展開するため、何が起きているのか分かりにくい場面もありました。

 その中でも俊雄と貞子が対峙する場面はかなり盛り上がり、観客としては「ついに来た」という高揚感がありました。

 またシリーズファンの視点で見ると、呪いのルールの変化や設定の違いも気になる部分でした。呪いのビデオの内容や期間、呪怨の家の設定など、細かい部分が少しずつ変わっているため、過去作品の印象が強い人ほど違和感を覚えるかもしれません。

 それでも霊媒師たちが貞子の呪いに巻き込まれていく場面や、俊雄に襲われた人々のリアクションなどは思わず笑ってしまうような勢いがあり、白石晃士監督らしいブラックなユーモアも随所に感じられました。

 特に終盤で霊媒師が提示する解決方法が「どちらかを犠牲にする」というかなり強引な作戦だったのも、この作品らしい大胆さだったと思います。

 全体として、クロスオーバー企画ならではの無茶なアイデアと、日本ホラーのアイコン同士が同じ画面に存在する楽しさが詰まった作品でした。細かな部分にツッコミどころはありつつも、その破天荒さを含めて楽しめるエンターテインメントだったと感じました。

☆☆

鑑賞日: 2016/06/18 チネチッタ川崎 2017/09/03 Amazonプライム・ビデオ 2026/03/07 U-NEXT

監督白石晃士 
脚本白石晃士 
出演山本美月 
玉城ティナ 
佐津川愛美 
田中美里 
甲本雅裕 
安藤政信 

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