映画【センター・オブ・ジ・アース】感想(ネタバレ):地底世界の冒険と3D映像の魅力

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●こんなお話

 地球内部への冒険の旅の話。 

●感想

 地上からは想像もつかないような地下世界を舞台にした冒険が描かれる物語。火山活動の痕跡を辿って、ある家族がたどり着いたその場所には、現実とは思えないような景色が広がっていた。洞窟の奥深くには恐竜が闊歩し、空には巨大な植物や奇妙な地形が広がっていて、重力すらもどこか不安定。そこに迷い込んだ登場人物たちは、なんとか地上へ戻るためにさまざまなピンチを切り抜けていく。

 旅の中では、火山の噴火に巻き込まれたり、鉱物に満ちた洞窟を通り抜けたり、飛行生物に追われたりと、アトラクションのような連続の展開が続いていく。スピード感を重視したような編集と派手なアクションシーンが中心になっていて、物語そのものよりもその見せ方に重点を置いている印象が強く残りました。

 本作は3Dを前提に制作されていて、飛び出す映像や奥行きのあるシーンなど、体験型のエンターテインメントとしての仕掛けが随所に施されています。子どもと一緒に観るようなタイプの映画としては、にぎやかで楽しい時間が過ごせる内容だったかもしれません。ただ、映画全体を通して見ていくと、どうしてもCGの質感が気になってしまうところがあり、リアリティのある映像世界を目指しているにも関わらず、その映像が少し軽く見えてしまう瞬間がありました。

 物語の進行自体は非常にテンポが速く、次から次へと冒険が続いていく構成でしたが、そのスピード感ゆえに一つひとつの場面に深く入り込むことが難しく、ただ流れていく印象も強かったです。脚本上でも、地中深くにいるはずの人物がふつうに携帯電話で会話できるなど、細部における世界観の整合性が追いついていない部分もあり、観ていて少し戸惑う瞬間もありました。

 また、登場人物たちが危機を乗り越えるたびに、特別な能力や知恵というよりも「たまたま運がよかった」ような描写が多く、緊張感が持続しないという面もありました。ピンチをどう工夫して切り抜けていくかという物語の醍醐味がやや薄れていたように思います。 

 それでも、映像の迫力や、地中の世界という舞台設定は魅力的であり、現実から離れた冒険気分を味わう作品として、一定の魅力があるのも事実です。特にアトラクション型の映画としては盛り上がる場面が多く、3Dの立体感を楽しめることが大きなポイントになっていたと思います。

 映画としての完成度というよりは、テーマパークの延長のような映画体験に近い一本でした。家族で観る休日の娯楽としては楽しい時間になるのではないかと思います。

☆☆

鑑賞日: 2017/06/27 NETFLIX

監督エリック・ブレヴィグ 
脚本マイケル・ウェイス 
ジェニファー・フラケット 
マーク・レヴィン 
原作ジュール・ヴェルヌ 
出演ブレンダン・フレイザー 
ジョシュ・ハッチャーソン 
アニタ・ブリエム 
セス・マイヤーズ 
ジーン・マイケル・パレ

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