映画【地獄の花園】感想(ネタバレ):会社がヤンキー抗争の舞台に!異色のOLバトルコメディ映画

jigokumovie
スポンサーリンク

●こんなお話

 もしもOLの世界がヤンキー漫画の世界だったら…な話。

●感想

 会社勤めをしている普通のOLが主人公。物語は彼女のナレーションで始まり、会社内で繰り広げられる人間関係や派閥争いを紹介していく。でもその内容が、まるでヤンキー漫画やヤンキー映画のようなノリで描かれていて、そこでまず笑えます。

 社内の勢力争いは本格的で、普通の部署間トラブルとかじゃなくて、「シマ争い」レベル。お互いのトップがタイマン張って、勝った方が次のボスに挑戦するという、完全にバトル漫画の構造。主人公自身もナレーションで「まるで〇〇(有名なヤンキー漫画)みたい」と理解していて、ちゃんとこの異常な会社のノリに乗っていく感じがメタ的で面白いです。

 そんなある日、中途採用で入ってきた蘭というOLが登場。彼女がとにかく強い。圧倒的な実力で、次々と会社のトップたちを倒していく。社内は一気に彼女の噂で持ちきりに。だけど、そんな最強OLの蘭と、主人公はなぜか普通に仲良しになっていくという不思議な関係性もまたユニークでした。

 さらに話は広がり、蘭がヤンキー界隈で有名だったことから、今度は上場企業のOLたちが「襲撃」してきて、主人公が誘拐されてしまう。蘭は助けに向かうけど、まさかの敗北。もうダメだ、と思ったその時、主人公がまさかの覚醒を見せる。実は彼女は、伝説のヤンキー一家で育てられた過去を持ち、喧嘩の才能が眠っていたという驚きの展開。個人的には、この真実が明かされるのが40分過ぎとちょっと遅く感じました。100分の映画ならもう少し早めにタネ明かししてほしかったです。

 結局、会社内では蘭が全部やったことになっていて、彼女はしばらく会社を休む。そして、また別の敵グループが会社に殴り込み。「トップを出せ」と言われて、「蘭は不在だ」と伝えると、「いや、真のトップは主人公だろ」と言われ、周囲の人たちも彼女の強さに気づいていく。

 一方の蘭は、自分が「ヤンキー漫画のような強さ」に憧れていたことに気づき、敗北をきっかけに一度落ち込む。そして再起をかけて、伝説のOLのもとを訪ねて修行に出る。そうして主人公に一騎打ちを挑み、物語はクライマックスへ。 

 この決戦シーン、正直なところあまり迫力は感じなかったです。コメディ寄りの作風だし、バカバカしさは狙っているんだとは思いますが、アクションとしてはそこまで凄くなかったです。だからこそ、「何が面白いのか最後までわからなかった」という印象が残ってしまったです。

 最終的に、主人公が蘭に勝つ。でもその直後、敗れた蘭に男性社員が駆け寄って告白。まさかの展開に、勝ったはずの主人公が敗北感に打ちのめされてエンド。文字通り「一体何を見せられていたんだろう」という感覚で終わる100分間でした。

 奇抜な設定やメタ要素、ヤンキー的な展開が好きな人には刺さるかもしれないけど、アクションやストーリーに期待しすぎると肩透かしかも。でもこういう「会社なのに完全に不良漫画」みたいな世界観を全力でやっている映画って、ある意味すごかったです。

☆☆

鑑賞日:2022/03/25 WOWOW

監督関和亮 
脚本バカリズム 
出演永野芽郁 
広瀬アリス 
菜々緒 
川栄李奈 
大島美幸 
勝村政信 
松尾諭 
丸山智己 
遠藤憲一 
小池栄子 
ファーストサマーウイカ 
近藤くみこ(ニッチェ)
かなで(3時のヒロイン)
室井滋 
タイトルとURLをコピーしました