映画【プレデター2】感想(ネタバレ):1997年のロサンゼルスで繰り広げられる新たなプレデター戦争|深まるキャラクター性と迫力の映像

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●こんなお話

 近未来の真夏のロサンゼルスでプレデターがやってきて刑事さんと戦う話。

●感想

 映画は1997年、治安が極めて悪化したロサンゼルスの街角で幕を開ける。舞台はコロンビアとジャマイカのギャングが激しく対立し、その緊張感は警察隊とコロンビアの犯罪組織による激しい銃撃戦に発展している。そんな混沌とした現場に、荒くれ者の刑事である主人公が単独で突入するが、そこで目にしたのは殺された犯罪者たちが天井から裸のまま吊るされているという不可解な光景だった。誰が、なぜこんな仕打ちをしたのか、その謎が物語の中心に据えられている。

 主人公は相棒との約束を交わし、「先に行くな」と念を押すものの、やはり相棒は単身で現場に先行し、そこで透明な怪物に襲われて命を落としてしまう。怒りに燃えた主人公は、上司の命令を無視してまでFBIの裏で動く謎の勢力に抗議しつつ、ジャマイカのギャングのボスに話をつけるため接触を試みる。しかしそのボスも要領を得ない遠回りな返答を繰り返し、最終的には彼も何者かに殺されてしまう。さらにFBIチームは独自にエイリアンの正体や弱点を調査し、生け捕りを狙うが、こちらもまた簡単にやられてしまい、最終的には主人公と透明な怪物との一騎打ちへと物語は進んでいく。

 この作品ではプレデターのキャラクターがより深く掘り下げられているのが特徴的でした。彼らは戦士としての誇りを持ち、武器を持つ相手のみを狩るという独自の倫理観を持ち、妊娠中の女性には攻撃を加えない、強敵をリスペクトするなど、単なる殺戮者以上の存在として描かれています。また、好物が牛肉であることや、自身で治療を施すシーンもあって、その多彩な武器の使い方とあいまって観ていて楽しい要素となっていました。

 一方で、前作ではシュワルツェネッガーが苦戦したプレデターとの対決が、今回はダニー・グローバーが一騎打ちを制してしまうなど、勝敗のロジックが少し軽くなった印象は否めないです。もう少し戦いの緊張感や勝負の駆け引きが丁寧に描かれていれば、さらに深みが増したかもしれないと感じたり。ただし都会のネオンや光景の中をプレデターが疾走する映像美はこの作品ならではの魅力であり、視覚的に非常に楽しめる映画となっていました。

 総じて、荒廃した都市を舞台に異質な存在が入り込み繰り広げられる戦いは、スリルとアクションが絶妙に融合しており、ファンならずとも興味を惹かれる仕上がり。プレデターというキャラクターの新たな一面を知ることができるという点でも見応えがある作品であると感じました。

☆☆☆☆

鑑賞日:2010/02/15 Blu-ray 2021/10/28 Disney+

監督スティーヴン・ホプキンス 
脚本ジム・トーマス 
ジョン・トーマス 
出演ダニー・グローヴァー 
ゲイリー・ビジー 
ルーベン・ブラデス 
マリア・コンチータ・アロンゾ 
ビル・パクストン 
ロバート・ダヴィ 
ケント・マッコード 
ケヴィン・ピーター・ホール 
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