●こんなお話
プロ野球選手を目指す高校生の話。
●感想
主人公が女性だからという理由でプロ野球選手としてスカウトされたいけれど、チャンスすら与えてもらえない。全員が反対する中、主人公がひたすら練習して「自分の人生が自分でもどうなるのかわからない」と練習する姿をプロをあきらめたコーチも次第に感化されてトレーニングしていく。スポ根ものの王道のカタルシスであるトレーニングのモンタージュがあり、女性だからとなめてかかっていた男たちを手玉に取っていくのとかもあってよかったです。ギターをあきらめてた友達が再びギターを眺めたりとさりげなく周囲の人間が次の一歩を踏み出しているというのを見せているのも好感が持てました。冬の中で練習したり街を歩いたりと寒さが伝わってくる映像もよかったです。
ただ野球シーンそのものを描くところとか結構迫力が感じられず、ナックルボールを投げることができればプロでも手玉に取ることができるとか緩急つければいいとか。そんな簡単なものなのだろうかとか、単純に投げた打ったみたいなカット割りとかに迫力がなく、野球を迫力ある風にとれるのとか難しいのかなと確認できました。主人公のストレートとナックルがものすごい威力というのも伝わってこなかったです。トレーニングとかもモンタージュで描かれますが、それをしてどういう成長をしたのかとかもわかりにくく、血染めのボールとかが映っているのを見て、ただただ球を投げ込めば凄いナックルボールが投げられるのだろうかとか疑問に感じて物語のノイズになりました。トライアウトのときのコーチとか監督がネットもないところで打者のすぐ隣で突っ立ってる風に見えたりして、打者の打ったボールぶつからないのかなと心配してしまいました。
主人公と対立していた母親が父親の一言で簡単にカタキ役ではなくなってしまうとかプロ野球のオーナー的な人が主人公の一言でこれまた心変わりしちゃうのとかいかがなものだろうかと感じました。
とはいえ、やっぱりあれだけ反対していた母親がトライアウトに見学に来るところとかは感動できるし、主人公を見て夢を諦めない大切さ、コーチを見て夢をあきらめても得られるものがあることを学べる映画でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/03/18 TOHOシネマズ日比谷
監督 | チェ・ユンテ |
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脚本 | チェ・ユンテ |
出演 | イ・ジュヨン |
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イ・ジュニョク | |
ヨム・ヘラン | |
ソン・ヨンギュ | |
クァク・ドンヨン | |
チュ・ヘウン |